先月19日、中国広西省の病院で、十代の我が子のそばで「医療保険に加入しておらず、治療費もない」と、末期がんの中年男性が、5階から飛び降りる痛ましい事件が起きた。
男性が飛び降りる前、異変に気付いた男性医師が手を伸ばして止めようとしたが、間に合わなかった。男性の体は鈍い音を立てて病院のホールに落下し、周りから悲鳴が鳴り響いた。
この件に詳しい市民によると、飛び降りた男性はこの日、12歳の息子を連れて病院へ自身の診察にやってきた。そこで自身が末期がんであることを知り、今後かかる膨大な医療費など、家族に迷惑をかけたくないと自ら命を絶ったという。
この悲劇をめぐって、SNSでは「中国の社会制度の欠落だ」と嘆く声が広がっている。
共産党幹部が医療資源の8割を消耗
中国では、日本のような健全な医療保険制度がないため、一般庶民が重病になったら破産するケースも少なくない。例え医療保険に加入していたとしても、立替られない項目が多く、全額の半分でも保険から立て替えが下りれば良いほうで、残りの治療費は一般家庭にとっては重圧になる。
そのため、「治療費がない」「治療費のことで家族を不幸にしたくない」という動機で自殺する病人が後を絶たない。
いっぽう、中国共産党(中共)の特権階層や党幹部の医療待遇は一般庶民よりもはるかに優れており、なんと「タダ」で医療を受けられるのだ。「党幹部が中国の医療資源の8割を消耗している」言われている。
(2024年4月19日、中国広西省の病院の5階から末期がんの男性が飛び降りる痛ましい事件が起きた)
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