生存環境が悪化の一途をたどる中国で近頃、ショッピングモールや河川の橋から飛び降り自殺を図る事件が絶えない。
こうした事態への対策として、自殺が発生したショッピングモールでは階ごとに自殺防止のための「監視員」が常駐するようになり、なかには吹き抜け全体を覆う巨大なネットが張り巡らされているところもある。
一部の「自殺名所」と化した橋では自殺者早期発見のための「監視カメラ」のほか、飛び降り防止用の網やバリケードなどが設置された。さらに、橋の上には「監視要員」、橋の下には「救助要員」が常駐し、24時間体制で待機している。
需要急増により、「橋用防護ネット」は売れ行き絶好調だそうだ。
NTD新唐人テレビの取材に応じた重慶市民の蔣さんによると、「自殺が多発した地元の橋では自殺防止のための警備員が50メートルおきに配備されている」という。
山西省に住む孫さんは、「地元の多くの工場は潰れ、失業者にあふれている。太原(市)大橋から飛び降りた十数人のうち、6人が借金を抱える元経営者だった」と明かした。
太原市(山西省)にある橋「迎澤大橋」は「毎日のように飛び込み自殺が発生している」とネットでも有名だ。「太原(市)大橋の飛び降りリレー」などと呼ばれるようになり、関連話題は中国SNSのトレンド入りするなどして、世論の注目が高まっている。
広東省に住む余さんは「すべては政府のせいだ」と指摘する。
「地元の歩行者天国やデパートはいつも閑散としている、中国経済は間違いなくどんどん悪くなっているのに、当局が公表するデーターはどんどん良くなっている。全部嘘だ、中共当局は経済データを捏造しているんだ」
「過去3か月の間に多く人がビルや橋から飛び降りて自殺した。そして社会に復讐するために自動車を凶器にして町で無差別に歩行者を轢き殺す人も少なくない。見かけ上では経済が悪いのが原因のように見える。しかし、本質的には政治的な要因だ、政治のせいで中国経済が悪くなったんだ」
「橋から飛び降りて自殺した人たちは、みんな中国共産党政府に絶望した人たちだ。生きていけないというのに、政府からの支援は全くない、政府は人民の生死など気にも留めていなんだ」と余さんはNTDの取材に訴えた。
(橋の下で24時間体制で待機する「救助要員」、重慶市)
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