中国の自動車業界で数か月にわたって続く価格競争は、在華外資系メーカーに予期した市場利益をもたらさず、逆にブランド価値に大きな損失をもたらした。最近、BMW、メルセデス・ベンツ、アウディを含む国際的な高級ブランドは価格競争から相次いで撤退し、フォルクスワーゲン、トヨタ、ホンダなどのブランドも「価格引き下げによる市場シェア維持」戦略を終了させた。
高級車ブランドの動向
「第一財経」や「券商中国」によると、価格競争による店舗の損失が深刻化しているため、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディといった高級車市場の主要ブランドは最近相次いで価格競争から撤退した。
東部地域の複数のBMWディーラーは、第3四半期からBMW中国と華晨BMWが東部地域のディーラーの販売目標評価を取りやめたため、ディーラーの在庫圧力が軽減され、末端価格の値引きプロモーションの削減が進んでいると述べた。現在の平均車両価格は約1.3万元(人民元)上昇している。
BMWの4S店(自動車の販売だけでなく、アフターサービス、部品供給、顧客フィードバックの収集の兼ね備えた店舗)の販売員は、現在BMWの全シリーズの価格が上昇しており、上昇幅は3万〜5万元程度であると述べた。
メルセデス・ベンツの4S店の販売員も、Cクラス車1台を販売するたびに7万元の損失を出している現状が続くことはあり得ないと述べ、現在メルセデス・ベンツの価格は比較的安定しているが、今後は確実に値上がりすると予測している。
アウディのあるディーラーは、アウディQ5L、A6L、A4Lを含む主要モデルの価格が若干上昇しており、今後も徐々に上昇する可能性があるが、大幅な上昇はないと述べた。
市場の変化と他のブランドの対応
BBA(BMW、メルセデス・ベンツ、アウディ)の燃料自動車も需要の低迷と同ブランドの電気自動車の影響を受け、大幅なプロモーションを展開している。
他の国際的な高級自動車ブランドの中国市場での売上も減少しており、特にポルシェの下落が顕著である。ポルシェは、主に中国市場が価格主導であることが原因と説明している。
高級ブランドの値下げの背景には、市場需要の減少とディーラーの在庫圧力がある。中国自動車ディーラーの在庫警告指数調査によると、6月の中国自動車ディーラー在庫警告指数は62.3%であり、在庫警告指数は景気の分かれ目を上回っている。これは、価格を引き下げて市場を獲得することが非常に難しいことを意味している。また、継続的な大幅な値下げは高級自動車のブランド価値に大きな損失をもたらすことは避けられない。
さらに、中国のビジネスマンや投資家にとって重要な情報源の一つとなっている「紅星資本局」によると、フォルクスワーゲン、トヨタ、ホンダ、ボルボなどのブランドも7月から末端政策を調整し、末端の割引を減少させるか、さらなる値下げを行わないことを決定した。
業界の反応と将来の展望
2024年中国自動車フォーラムでは、吉利、奇瑞、江淮汽車などの自動車企業の幹部も、過度な競争や価格戦争から離れ、ブランドの向上を目指すことを呼びかけた。
自動車流通協会専門委員会委員の李顔偉氏は、BYDが価格引き下げによって販売台数を増やした結果、新車の価格がスパイラル的に下落したと指摘した。李顔偉氏は、中国の新興自動車メーカーが、高級車価格に決定的な影響を与えているわけではなく、むしろBBA(BMW、メルセデス・ベンツ、アウディ)の動きが最も重要であると述べた。
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