カリフォルニア州在住のジョン・チェンとリン・フェンが、米国で法輪功を抑圧する中国共産党政府の違法な代理行為を行ったとして有罪を認めた。2023年には、これら2人は中国共産党(中共)の役人と共謀し、ニューヨークに拠点を置く法輪功学習者が運営する非営利団体のステータスを取り消すために、IRS(米国内国歳入庁)に対して賄賂を贈る計画に関与していた。
法輪功は、真、善、忍を原則とする精神的修養法であり、中国では政府による厳しい弾圧を受けている。何百万人もの法輪功学習者が拘留と拷問を受け、また、国が主導する強制的臓器摘出により殺害された学習者は多数であり不明である。
中共(中国共産党)当局者の指示の下、チェン被告は法輪功学習者が運営する非営利団体に対する不完全な内部告発状をIRSに提出した。その内容には、中共政府が法輪功迫害を正当化するために用いる中傷プロパガンダを繰り返すレトリックが含まれていた。
その後、2人は潜入捜査官に対して5千ドルの賄賂を支払い、監査が開始されたら5万ドル、訴訟が成立すれば内部告発者報酬の60%を支払うことを約束した。
7月25日の裁判で、検察官は狙われた団体がニューヨーク州アップステートに拠点を置く神韻芸術団であると明かした。神韻芸術団は、中国伝統舞踊と音楽を世界中で公演しており、共産主義以前の中国を現している。多くのアーティストが法輪功学習者であり、公演では中国共産党統治下での信仰の迫害など人権侵害を描いた場面が取り上げられている。
米国司法省によると、法輪功は中共政府にとって「最も大きな脅威の一つ」である。中国では、法輪功学習者は投獄も含む、政府から様々な弾圧を受けている。
2人の被告、チェンとリンはそれぞれ、未登録外国政府代理人としての行為と公務員への賄賂提供で有罪を認めた。それぞれ10月末の2日間に判決を受ける予定だ。
声明によると、2人はそれぞれ最長25年の懲役刑に処せられるが、判決を下す際には裁判官が「米国の量刑ガイドラインとその他の法定要素」を考慮するという。
司法取引によれば、チェン被告に対する量刑は懲役24~30か月、罰金1万ドル~9万5千ドルとなる。リン被告に対して、懲役約12~18か月、罰金5500ドル~5万5千ドルとなる。
両者は、罰金に加えて、犯罪による収益の価値である5万ドルを没収することに同意した。
ニューヨーク南部地区連邦検事ダミアン・ウィリアムズ氏は、この事件を「アメリカ国内における外国勢力による悪意ある国際的弾圧の試み」の一部だと述べた。
同氏は声明で「ジョン・チェンとリン・フェンは、中共政府の代理として、中共の弾圧対象である法輪功を脅迫し、嫌がらせするために、米国内でIRSの職員だと信じていた潜入捜査官に思慮なく賄賂を贈ろうとした」と指摘した。
「米国内で中国を批判する人々を標的にして言論の自由を抑圧するこのような取り組みは容認されない」。
リン被告はグリーンカード保持者で、有罪を認めたことによる移民上の影響を認識しており、米国からの追放や将来的な入国および市民権取得の拒否の可能性がある。リン被告は裁判で、チェン被告を「上司」と表現し、計画の相談をしていたこと、そしてIRSの偽装職員との会議を手配したことを認めたが、会話には参加していなかった。
リン被告は「一緒に働いているうちに、チェン被告が中共政府や企業の重要人物のために働いていることがわかった」と語り、チェン被告と「法輪功に危害を加えよう」とする中国在住の個人との会話に巻き込まれることもあったと付け加えた。
ウィリアムズ氏は、この事件は、「外国の影響によるアメリカでの悪意ある国境を超えた弾圧の試みの一部」と説明した。
有罪答弁の発表は、米国当局が、米国内の法輪功学習者や民主化運動支持者をスパイしていた疑いで、フロリダ州の電気通信部門の男性を起訴した直後に行われた。
起訴状によると、米国籍のリンという男は、少なくとも2012年以来、中国の強力な秘密情報機関である国家安全部の協力エージェントだった。
起訴状によると、リン被告は中国武漢の中共諜報員の指示の下、サンクトペテルブルク在住の法輪功学習者と法輪功に関する本のイスラエル人著者2人の個人情報を送ったという。
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