トランプ氏は選挙活動中、不法移民、特に犯罪歴のある者の強制送還を公約に掲げた。
スペイン語大紀元のインタビューに対し、数十年にわたりアメリカに滞在する一部の不法移民は懸念を表明する一方で、不法移民の問題が地域社会に影響を与えているとの意見もあった。
メキシコ出身で、テキサス州に33年間住んでいるイルマさん(44歳)は、トランプ氏がカマラ・ハリス副大統領を破ったことを知ったときの心境を語った。
「カマラ氏に勝ってほしいと思っていました。11月5日の夕方6~7時は、トランプ氏がリードしていたので緊張していた。正直言って、私は彼に勝ってほしくありませんでした。とてもストレスでした」
イルマさんは、大量送還を公約に掲げるトランプ氏の勝利を恐れていると語った。
「私は母親で、子供が2人います……。自分が送還されたらどうなるのかと考えると、怖いです。一番心配なのは子供たちのことです」
イルマさんは、選挙当夜の結果を見守るストレスに耐えられなくなったため、テレビを消して休んだという。その後、Facebookグループを通じて、共和党候補が勝利したとの知らせを受け取った。
「とても悲しかったです。でも、私たちは神の手に委ねられています。物事には理由があるので、ここから何か良いことが生まれるかもしれないと期待ています」
イルマさんは、アメリカ内の移民危機を認識しており、地域社会に影響が及んでいると述べた。
同氏は、連邦政府がこの状況を引き起こしたと述べた。近年到着した不法移民は、米軍に奉仕した人々や支援を必要とするアメリカ人以上の特権を享受していると指摘した。
イルマさんが住んでいる町も多くの不法移民の到来で影響を受け、路上でお金を求める人々が増え、治安が悪化しているという。
不確な将来
メキシコ出身でテキサス州に25年間住むミラムさんも、トランプ氏の勝利に悲しみを感じた。同氏は22歳で家族と共にテキサス州に移住し、アメリカで生まれた息子がいる。この選挙を大きな期待を持って見守っていたが、結果は予想とは異なったという。
「私たちは民主党が勝つことを信じていましたが、そうはなりませんでした。地図が赤く染まっていくのを見てとても落胆しました。自分たちの党が遅れを取っているのを見ると非常に失望しました」
ミラムさんは、トランプ氏の最初の任期中に不法移民対策の政策が行われていたことを思い出し、今後の不確実性と恐怖を抱きつつも、トランプ次期大統領が約束した大量強制送還が実施されるとは信じていないと述べた。
「大きな不確実性です。恐怖……でも、大量送還が行われるとは思いませんが、私たちの状況は厳しくなるでしょう。明日、働きに出かけても、高速道路のどこかに検問所があれば……ただ生計を立てるために出かけただけなのに送還されるかもしれないという恐怖です」
ミラムさんは、ここ25年間で見たことがないような移民危機が進行していることを認識している。長年住んでいる自分たちが支援されていない一方で、最近到着した人々が多くの利益を享受している現状に無力感を抱いていると述べた。
「誰にでもチャンスはあるべきですが、私たちが持っている機会と比べると、彼らはほとんどすべてを持っています」と述べた。
同氏は、アメリカは「多くの機会を与えてくれる国」であり、「一夜にして誰かが自分の努力を奪ってしまうのは非常に難しいことです」と語った。
「そうならないことを願っています。本当に良い大統領であってほしい。もし彼が良い人で、正しいことをしようとしているなら、公正であるべきです。それがみんなのためになります」
支持する声も
一方、グアテマラ出身でフィラデルフィアに3年間住むアンヘリカさんは、自身が不法移民であるにもかかわらず、トランプ氏を支持していると述べた。トランプ氏は中絶問題で自分と価値観が一致していると感じているという。
「もし投票できるなら、トランプ氏に投票します。トランプ氏が(不法移民の)人々を強制送還すると言っても、クリスチャンとして、トランプ氏のほうがいいと思います。不法移民は強制送還されるかもしれませんが恐れていません」
「私はキリスト教についてよく知っています。何よりも、トランプ氏は神を信じる人です。その政策が神に寄り添ったものになると感じています」
ベネズエラ出身でフィラデルフィアに3か月住むエドワード・ルイス氏は、トランプ氏の勝利がアメリカ経済を改善させることを期待していると述べた。
ベネズエラ出身でフィラデルフィアに3か月間住んでいるエドワード・ルイスさんは、トランプ氏の勝利がアメリカ経済を改善するだろうと期待を表明した。
「ここにしばらく住んでいる人から聞いたところ、トランプ氏が政権を握っていたとき、経済的には今よりも良かったそうです。移民として働いて進歩することが目的であり、その機会が得られるなら良いと思います」
ルイス氏はアメリカでの就労許可を得ている、それでも、もし投票できるならハリス氏に投票したという。「家族がこちらに来るのが難しくなるかもしれないからです」と話した。
全米選挙プール(NEP)の出口調査によると、トランプ氏は全米でラテン系有権者の約45%の支持を得た。ハリス氏の支持率は同集団で高かったものの、トランプ氏は2020年よりもラテン系有権者からの支持を大幅に増やした。
ネバダ州では、トランプ氏とハリス氏がラテン系票を分け合い、両者とも47パーセントを獲得した。
NEPの調査では、トランプ氏がラテン系男性の支持で54%を獲得し、2020年から18ポイントの増加となった。
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