現在、中国の消費市場は低迷し、企業の生産能力は過剰で、製品は値下げを余儀なくされ、損失が拡大し、経済全体が悪循環に陥っている。
中国のソーシャルメディア利用者は「なぜ今、みんなが手元にお金がないと感じているのだろうか? 今年最も話題になった言葉は、消費の下方シフトだ」と述べている。
中国国家統計局が12月16日に発表したデータによると、11月の社会消費財小売総額は前年同月比で3%増加したが、10月の4.8%から大幅に減速した。必需品以外の販売が影響を受けただけでなく、必需消費財の小売総額も大幅に下落し、化粧品の販売額は、前年同月比で26%減少した。
さらに、中国のほとんどの都市で住宅価格が下落し、一線都市も例外ではない。深センでは、多くの所有者が、頭金を失う覚悟で家を売ろうとしている。
市民は「売れないため、多くの人がローンの支払いを停止し、家を手放す選択をしている。頭金も諦め、月々の支払いも止めている」と述べている。
ワシントン情報戦略研究所の経済学者、李恒青氏は次のように指摘している。
「多くの未完成建築プロジェクトがあり、これらをどのように解決するのか? さらに、これらのプロジェクトには多額の債務が絡んでおり、銀行はすでに不動産市場に大量の資金を投入しているが、その資金は、ほぼ凍結状態だ。現在、多くの銀行の投資が、不動産市場に縛られており、これにより銀行は非常に大きなリスクに直面している」
同時に、中国のさまざまな商品は生産能力過剰の問題に直面している。中国統計局の最新データによると、中国の商品出荷価格は26か月連続で前年同月比でマイナスとなり、11月には前年同月比で2.5%減少し、回復の兆しはほとんど見られない。
この危機に直面して、多くの工場が製品販売促進のために価格を引き下げている。中国最大の製紙会社の一つである山東の「晨鳴紙業」は、値下げ在庫一掃セールによって損失が拡大し続けている。先月、同社は約2億5千万ドル(約385億円)の債務不履行を公表した。
中共は先週、経済工作年次会議を開催し、内需、特に住民の消費需要を強化する方針を示した。また、「適度に緩和的な金融政策」を実施し、準備率や金利を適時に引き下げる措置を講じるとしている。
アナリストたちは、中国経済が深刻な悪循環に陥っており、トランプ氏の大統領就任が迫る中で、新たな貿易戦争がいつ始まってもおかしくないと考えている。そのため、中共が提案する経済刺激策は、実際には焼け石に水に過ぎないと見なされている。
中国のセルフメディアは次のように述べている。「中国人にとって、お金を使うために本当に刺激が必要なのだろうか? もし彼らのポケットにお金があれば、使うように促す必要は全くない。問題は、多くの人々が、そもそもお金を持っていないことだ」
米国在住の経済学者、黄大衛氏は次のように述べている。
「中共の官僚制度と、その制度が生み出した幹部たちは、国有企業や計画経済を効果的に管理できない。したがって、国有経済を主体とすることを放棄せず、国進民退(国有企業の拡大と民間企業の縮小)政策を続ける限り、市場の期待を変え、消費者や民間企業の信頼を高め、中国に対する外国投資家の見方を変え、市場を徐々に回復させることは非常に困難だ」
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