2025年の新年を迎え、中国共産党(中共)の機関紙は習近平の講話を発表し、「東昇西降」(東が昇り、西が降る)の観点を再確認した。中国経済が深刻な後退に直面しているにもかかわらず、習近平はこの理念を信じ続けている。
専門家によれば、これは中国国内向けのプロパガンダであり、習近平がこの観点に固執することで中共の崩壊を早める可能性がある。
「東昇西降」は、中国の台頭と西側諸国、特にアメリカの衰退を示す世界観だ。
1月1日発行の中共機関紙「求是」誌は、習近平の過去の講話を掲載し、「東昇西降」という政治的概念を再確認した。国際的な「包囲、抑制、圧力」に対抗するためには「闘争」が必要だと主張している。
台湾大学の陳世民副教授は、この記事が虚偽に満ちたプロパガンダであると指摘した。
台湾大学政治学部の副教授、陳世民氏は次のように述べている。
「今は明らかに東が昇り西が沈むという状況ではなく、中国は徐々に、アメリカや西洋を超える可能性はもはやないと感じさせる状況になっている。ここ2、3年の中国の経済と社会の状況は、明らかに衰退していることがわかる。習近平の統治の下で、経済はますます大きな問題を抱えている」
2024年は、中国経済は依然として下降傾向にあった。2025年は、アメリカと新たな関税戦争に直面すると予想されている。
1月2日の新年最初の取引日、中国株式市場の主要3指数は全面的に下落し、4千以上の銘柄が値を下げた。これは、投資家が中国経済の見通しに対して悲観的であることを示している
アメリカのセント・トーマス大学の葉耀元教授は、多くの専門家や学者は「東昇西降」という考えを信じていないと指摘する。また習近平は中国が直面する困難を解決できず、中国経済が崩壊寸前であることを認める勇気も持っていないと述べている。
アメリカのセントトーマス大学の教授、葉耀元氏は次のように述べた。
「習近平の現在の状況を考えると、彼には他に選択肢がない。国内経済の内部競争が非常に深刻であることや、経済が崩壊する可能性を認める必要があると言っても、彼はその言葉を口にすることはできない。なぜなら、もし彼がそれを言ってしまったら、責任を負わなければならなくなるからだ」
カナダの中国系作家、盛雪氏は、習近平がこの誤った見方に固執し続けることで、中共はさらに衰退すると述べている。
「中共の抱える問題は、今や単なる経済衰退ではなく、この経済衰退は全体の体制に影響を及ぼしており、多くの調整ができず、互いに協力し続けることができない深刻な困難が生じている。この困難は習近平には解決できない」
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。