日本の防衛 インド太平洋の安定へ、日英の連携強化を確認

イギリス空母寄港時の武器等防護で協議 日英防衛協力拡大

2025/01/16 更新: 2025/01/16

中谷元防衛相は15日、訪問先の英ロンドンでヒーリー国防相と会談した。イタリアを加えた3か国による次期戦闘機の共同開発計画について、目標とする2035年の配備に向けて作業を加速化させることを確認した。今年後半の英国「プリンス・オブ・ウェールズ」空母打撃群の日本寄港について、自衛隊が他国軍の艦船や航空機を守る「武器等防護」を適用することを議論した。欧州の国として初めての適用となる。

会談で両氏は、大西洋とインド太平洋の安全保障が不可分だという認識を共有した。中谷氏はイギリスがインド太平洋地域での関与を拡大する動きを評価し、同地域の平和と安定を維持するために、引き続き緊密に連携していく考えを表明した。特に2010年以降、中国共産党(中共)軍が東シナ海への進出活動を活発化させ、日本海でのパトロール頻度も増加している。この日英防衛協力の深化は、インド太平洋地域の安定維持と、中共の海洋進出に対する効果的な対応を目指す重要な一歩とされている。

両大臣はまた、次世代戦闘機を開発するためのイギリス、日本、イタリアの共同計画「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」の進捗状況や、今年後半に予定のイギリス空母打撃群の日本訪問についても協議した。これは中谷氏の防衛相就任後、初の両国防衛相会談となる。

同日の夜、中谷氏はGCAPの司令塔として設立されたGIGO(グローバル戦闘航空プログラム国際運営機関)を視察した。GIGOの初代トップである岡真臣・元防衛審議官とも面会し、同機関の運営状況や2035年の次期戦闘機配備に向けた進捗状況について確認した。

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