核融合炉の安全規制 内閣府有識者会議が基本方針を了承

2025/02/21 更新: 2025/02/21

内閣府の有識者会議は2025年2月20日、核融合炉の安全対策に関する基本方針を了承した。この方針によると、核融合炉の安全規制には、原子力発電所を対象とする原子炉等規制法を適用せず、放射線を発生させる装置を規制する法律で対応する方針を示した。NHKなど大手メディアが報じた。

核融合炉は、二酸化炭素や高レベルの放射性廃棄物を出さない次世代エネルギー源として注目しており、世界各国で開発競争が激化している。日本政府は2035年頃までに、実際に核融合反応を起こしてエネルギーを発生させる最初の原型炉の建設判断を行う方針だ。

しかし、日本国内では核融合炉を規制する法律が未整備であったため、内閣府の有識者会議が2024年から安全確保に向けた議論を重ねてきた。

今回了承された基本方針では、核融合炉の特性を考慮し、原子力発電所とは異なる規制アプローチを採用することが決まった。核融合炉は、燃料供給や電源を停止すれば反応が自然に止まる特徴があり、原子力発電所のような連鎖反応による制御不能のリスクはないことが、この判断の根拠となっている。

具体的な規制の枠組みについては、原子力規制委員会が所管することになる。内閣府は今後、原子力規制委員会と協議しながら、詳細な基準の策定など、規制体制の強化に取り組む方針だ。

日本の核融合研究開発を加速させる一方で、新しい技術に対する適切な安全基準の設定が課題となる。今後の規制枠組みの具体化に向けた議論が注目される。

大紀元エポックタイムズジャパン記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。
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