中国軍 オーストラリア近海で演習 航空便が航路変更

2025/02/21 更新: 2025/02/23

オーストラリアとニュージーランド間の航空路が、中国共産党(中共)海軍の実弾演習の影響を受けて混乱している。

中共軍の艦艇3隻は、過去1週間にわたりオーストラリア近海を航行し、2月19日にはシドニーから約277kmの地点に接近した。この小規模な艦隊には、強力な武装を備えたレンハイ級巡洋艦「遵義」、ジャンカイ級フリゲート「衡陽」、フチ級補給艦「威山湖」が含まれている。

中党軍艦の実弾演習の影響で、カンタス航空やエミレーツ航空などが航路を変更した。

オーストラリア航空管制機関は、「予防措置として、当該地域への飛行を予定している航空会社に通知した」と発表した。

オーストラリアとニュージーランドの国防軍も、先週からこの中共艦隊を監視している。

ニュージーランド航空は、影響を回避するために経路を変更したが、運航に支障はないと発表した。

カンタス航空とその子会社ジェットスターは、RNZに対し、オーストラリア政府と連携しながら状況を監視していると明らかにした。

オーストラリア外相 中共外相と協議へ

オーストラリアのペニー・ウォン外相はABCに対し、中共政府と協議することを明かした。

「演習の通知や透明性について公式レベルで協議している。特に実弾射撃演習について確認を進めている」と述べた。

また、「演習時の通知は通常の対応であり、オーストラリア航空管制機関が適切に助言している」と説明した。

オーストラリアのアルバニージー首相は、中共側から事前に演習の通知があったと述べた。

自由党の防衛・国家安全保障政策部会のリンカーン・パーカー元委員長は、中共軍の行動に強い懸念を示した。同氏は大紀元に、「中国軍艦がオーストラリアの沿岸、しかもオーストラリアとニュージーランドの間で堂々と実弾演習を行い、航空便の航路変更を余儀なくさせている。この行為は挑発的であり、危険かつ容認できない」と語った。

また、「中国はこれまでにオーストラリア海軍の潜水作業員や航空機を攻撃し、今度は我々の海域で実弾射撃を行っている。次は何をするつもりなのか?」と警鐘を鳴らした。

野党のアンドリュー・ハスティ国防担当者も、「中国は軍事力を背景に太平洋地域で影響力を拡大しようとしている」と指摘し、「オーストラリア政府は、中国軍の行動に対してより強い立場を取るべきだ」と述べた。

同氏は「今回の中国海軍による挑発行為は、首相の継続的な弱腰姿勢の結果だ」と指摘した。
 

シドニー在住のエポックタイムズ記者。豪州の国内政治、新型コロナ対応、豪中関係などの国政問題を専門とする。
ニュージーランドを拠点とするレポーターで、ラジオや印刷物を含むメディアで40年以上の経験を持つ。現在はハット・ラジオのプレゼンター。
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