中国「不自由」継続、香港自由度低下 —フリーダム・ハウス報告

2025/02/27 更新: 2025/02/27

アメリカNGO団体フリーダム・ハウス(Freedom House)が発表した2024年版「世界自由報告」によると、中国の自由度スコアは9ポイントで「不自由」な国家に分類された。チベットは0ポイントで「不自由」な地域、香港は40ポイントで「部分的に自由」な地域と評価された。一方、台湾は94ポイントを獲得し、アジアの自由度ランキングで日本(96ポイント)に次ぐ2位となった。

フリーダム・ハウスは2月25日に2024年版報告書を発表し、各国と地域の自由度を分析した。

報告書は「政治的権利」(40ポイント満点)と「市民的自由」(60ポイント満点)の2つの指標に基づき、総合100ポイント満点で採点されている。調査対象は195か国と13の地域で、評価期間は2024年1月1日から12月31日までとなっている。

中国 「不自由」国家 市民社会はほぼ壊滅状態

報告によると、中国の自由度ポイントは9ポイント。内訳は「政治的権利」マイナス2ポイント、「市民的自由」11ポイントで、引き続き「不自由」な国家とされた。

報告では、中国共産党政府が政治的異見を持つ個人や独立系NGO、人権活動家に対する弾圧を長年にわたり強化した結果、国内の市民社会はほぼ壊滅状態にあると指摘している。

香港 「部分的に自由」も自由度低下が顕著

香港の自由度ポイントは40ポイントで、「政治的権利」が9ポイント、「市民的自由」が31ポイントとされた。

報告では、中共政府が香港への統制を強める中、多くの反政府的な言動が「国家安全維持法(国安法)」違反と見なされていると指摘。

2019年の民主化運動に関する報道を理由に、アップル・デイリー(Apple Daily)の元発行人である黎智英(ジミー・ライ)氏の裁判が継続された。また、2020年の立法会選挙に向けた非公式の野党予備選の開催に関与したとして、民主派活動家45人が「国家政権転覆を共謀した」罪で有罪判決を受けた。

香港終審法院(最高裁判所)の外国籍の元判事は、辞任に際し「香港の裁判官は、政府の弾圧的な目的に沿うよう極めて大きな圧力を受けており、それが法の支配を深刻に損なっている」と指摘した。

チベット自由度ゼロで最低評価

チベットの自由度ポイントは0ポイント。内訳は「政治的権利」がマイナス2ポイント、「市民的自由」が2ポイントで、「不自由」な地域と分類された。

台湾 アジア第2位の自由度を維持

対照的に、台湾は「政治的権利」38ポイント「市民的自由」56ポイントを獲得し、総合ポイントは94ポイント。アジアで日本に次ぐ第2位となった。

なお、世界ランキングではフィンランドが100ポイント満ポイントを獲得し、最も自由度の高い国として評価された。

 

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