ケネディ米保健福祉長官は、西テキサスで100人以上が感染し、1人が死亡した、はしかの感染拡大を受け、ワクチンを提供する方針を発表した。
ケネディ氏は2月28日「はしかの流行の終息は最優先課題だ」とXに投稿した。
米保健福祉省(HHS)は、ワクチン接種プログラムを通じて、麻疹・おたふく風邪・風疹(MMR)ワクチン2千回分をテキサス州に送付する。また、以下の対応を行う。
- ウイルスの追跡を強化するための研究所支援
- 地元の公衆衛生当局と連携し、必要な資源を提供
- ワクチンの重要性を伝えるため、メノナイト(キリスト教の一派)が話すドイツ語の方言でも情報提供を行う
CDCが死亡を確認 感染拡大の可能性も指摘
米国疾病予防管理センター(CDC)は、西テキサスではしかに感染した子供1人が死亡したことを確認した。テキサス州当局によると、これまでに146件以上の感染例が報告されている。
テキサス州保健局は2月28日「この病気は非常に感染力が強いため、流行地域およびその周辺でさらに感染が拡大する可能性がある」と警告し、地元の保健当局と協力して調査を進めている。
今回の流行は、西テキサスの農村部、特に油田が点在する地域で広がっており、ワクチン接種率の低いメノナイトのコミュニティで集中して発生している。
ケネディ長官のワクチン政策と過去の発言
ケネディ氏は長年にわたり、MMRワクチンを含む小児向けワクチンの有効性と安全性に疑問を呈してきた。2019年のワシントン州議会の公聴会で、MMRワクチンの安全性に懸念を示し、一部の小児ワクチンが自己免疫疾患、自閉症、注意欠陥多動性障害などと関連がある可能性があると主張した。
また、州や自治体が子供へのワクチン接種を義務付けることにも反対してきた。
しかし、今年初めの上院公聴会では、麻疹ワクチンと小児用ポリオワクチンを支持する立場を表明し、過去の発言について釈明した。
今後の方針「ワクチンスケジュールの見直し」
2024年2月のHHS長官就任後、ケネディ氏は小児向けのワクチンスケジュール(麻疹・ポリオなど)の調査を実施する方針を発表した。また、農薬や食品添加物、マイクロプラスチック、抗うつ薬、電磁波なども研究対象とする意向を示している。
ケネディ氏は「アメリカを再び健康にする」をスローガンに掲げ、公衆衛生の改革に取り組む考えを示している。今後の保健政策の動向に注目が集まる。
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