警察官なりすまし詐欺が急増 新宿署の代表電話でかかってくるケースも

2025/03/14 更新: 2025/03/13

警察官を装った詐欺事件が全国で急増している。2025年に入ってからの被害は深刻化しており、警視庁や全国の警察署は注意を呼びかけている。

この手口では、犯人が警察官を名乗り、被害者の携帯電話に電話をかけてくる。NHKによると新宿警察署の代表番号から不審な電話がかかってきたという相談が、13日までの3日間に全国から400件以上寄せられている。

警視庁によると「あなたの口座が犯罪に利用されている」「あなたの携帯電話が犯罪に利用されている」などと言って、不安をあおる。その後、SNSやビデオ通話に誘導し、偽の警察手帳や逮捕状を見せるケースもある。

被害者の年齢層は幅広く、特に30~50代の被害が増加している。犯人は「あなたは逮捕される」などと脅し、資産状況を聞き出す。被害額は数百万円から数千万円に及ぶという。

最近では、金地金を購入させて詐取する手口も確認している。

警察庁の特殊詐欺対策ページによると警察官等を名乗る者(犯人)から、SNSで逮捕状等の画像を送信した後、「金融詐欺の逮捕状が出ているが、身の潔白を証明するためにすべての資産を全て教えて提出してほしい」等と言われ、貴金属店で金地金の購入を指示され、自宅玄関に指示どおり置いていた金地金をだまし取られたという。

警察庁は、警察官等を名乗る者から「金地金の購入等を指示」「購入等した金地金を、自宅玄関、公園の滑り台の下等の屋外に置いておくよう指示」は全て詐欺であると注意を促している。

専門家は、警察官を名乗る人物から金銭の要求があった場合は詐欺の可能性が高いと警告している。被害を防ぐには、警察署の電話番号を自分で調べて確認することが重要だ。

熊本県警察本部は、詐欺犯人の生音声をYouTubeで公開し、注意喚起を行っている。

警視庁は警察官がSNSやビデオ通話で連絡を取ることはなく、警視庁や他府県の警察を名乗る者からの電話があった場合は、相手に「所属、担当部署、氏名、内線番号」を確認し、最寄りの警察署に連絡するよう訴えている。

大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。
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