安倍元首相暗殺事件の公判開始遅延に関する質疑 島田洋一議員が法務委員会で追及

2025/03/19 更新: 2025/03/19

2025年3月18日、衆議院法務委員会において、日本保守党の島田洋一衆議院議員が安倍晋三元首相暗殺事件の公判開始が未だに決まらない問題について追及した。

この事件は2022年7月に発生してからすでに2年8か月が経過しているにもかかわらず、公判前整理手続きが続いており、裁判開始の見通しが立っていない状況である。

島田議員は、「なぜこれほどまでに時間がかかっているのか。大臣は情報を提供すべきだ」と述べ、国民の関心が高いこの事件について透明性を求めた。また、翌年に発生した岸田文雄元首相暗殺未遂事件では迅速に裁判が進んでいることを引き合いに出し、安倍元首相の事件との対応の違いを指摘した。

法務省刑事局長の森本宏氏は、「個別の事件についてはコメントできない」としつつも、公判前整理手続きが進行中であることを説明した。この手続きは、裁判員裁判において充実した審理を迅速に行うための準備段階であり、訴訟当事者間で証拠や争点を整理する作業を含むものだという。しかし、「個別事案によって状況が異なるため詳細には答えられない」と述べるにとどまった。

国民的関心と透明性への要求

島田議員は、この対応について「国民から疑問の声が上がっている」と指摘し、法務省や検察当局がより積極的に情報を公開する必要性を強調した。「安倍元首相は国内外で高く評価された政治家であり、その暗殺事件の公判開始がこれほど遅れることは極めて異例だ」と述べ、司法手続き全般への信頼低下を懸念している。

安倍元首相暗殺事件では、奈良地裁で非公開の公判前整理手続きが続いている。一方、2023年4月に発生した岸田文雄元首相暗殺未遂事件では、すでに2025年2月に和歌山地裁で判決を下しており、この対応速度の違いが注目されている。

今回の質疑は、日本司法制度の透明性や迅速性への課題を浮き彫りにしたものだ。島田議員は引き続きこの問題を追及する姿勢を示しており、公判開始までのプロセスや進展についてさらなる情報開示が求められている。

エポックタイムズ記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。
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