日本政府観光局(JNTO)が3月19日に発表した2月の訪日外客数は325万8100人となり、2月として初めて300万人を突破した。前年同月比で16.9%増加しており、日本の観光市場は成長を続けている。
中国や台湾などでは旧正月の大型連休が2月初旬まで続き、この時期の旅行需要が高まった。また、北海道や長野などのスキーリゾートではアメリカやオーストラリアからの観光客を中心に冬のスノーシーズンの人気が高く、訪日客数の増加を後押しした。
2030年の観光目標と訪日客増加の影響
政府は2030年までに訪日外国人6千万人、旅行消費額15兆円を目標として掲げており、さらなる観光促進を進めている。しかし、急激な観光客増加により、オーバーツーリズムが深刻化しつつある。
特に京都や富士山などの人気観光地では、観光客によるゴミのポイ捨て、騒音、公共マナー違反などが問題となり、地元住民からの苦情が増加。2024年秋に京都市が実施した調査では、観光客による公共交通機関の混雑に「迷惑を感じている」と回答した市民が90.2%に上った。
この状況は、観光客の満足度低下にもつながっている。日本人観光客の中には、混雑を避けて京都の定番スポットから穴場スポットへと移行する傾向も見られる。
これは地方観光地にとってはチャンスとなる一方で、人気観光地では住民の生活環境と観光振興のバランスを取ることが大きな課題となっている。
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