トランプが説明 対中関税125%と相互関税の90日間停止する理由

2025/04/10 更新: 2025/04/10

アメリカのトランプ大統領は9日、対中国関税を125%に引き上げる方針を明らかにし、他国に対する相互関税の適用を90日間停止することを発表した。その後、ホワイトハウス南庭において、この決定の詳細を説明した。

「他国はすべて合意を望んでいる。私は報復しなかった国々に対して90日間の相互関税停止命令を出した。なぜなら『報復すれば、さらに厳しい罰を科す』と伝えていたからだ。中国ではこのような措置を講じた。なぜなら彼らが実際に報復してきたからである。今後の結果を見守るが、良い結果になると信じている」と述べた。

中国共産党(中共)も同日、声明を発し、4月10日よりアメリカ産輸入品に対する関税率を34%から84%に引き上げる方針を示した。これはアメリカの対中関税への対抗措置である。

トランプ大統領は、「アメリカが直面している貿易問題は中国だけに限らない。しかし共産中国は『これまでで最大の貿易侵害者』である。他の国々も同様の問題を抱えているが、この状況を解決するには誰かが行動に出なければならない」と語った。

さらに「彼らはこの状況を終わらせなければならない。なぜなら、持続可能な状態ではないからである」と強調した。

財務長官 トランプの決定は非報復国を奨励するものであると強調

ベッセント米財務長官はホワイトハウスで会見を開き、「トランプ大統領の決定は、報復を控えた国々に対する明確な奨励である」と説明した。

さらに、「関税の一時停止は、新たな貿易協定交渉のための時間を確保する意図もある」と述べた。

「ここまで主張を貫くには非常に大きな勇気が必要だった。本当に大きな決断だった」と評価した。

ベッセント長官によれば、アメリカとの交渉を望む国々には10%の関税が適用されており、その中にはカナダやメキシコも含まれている。

「交渉を希望するすべての国々に耳を傾ける用意がある」と彼は語った。

加えて、「各国がグローバルな貿易の再調整を模索する中で、トランプ大統領に最善の提案を提示することを期待している」と述べた。

トランプ 自ら関税交渉に関与の意向を示す

ベッセント長官によれば、トランプ大統領は自ら交渉に関与し、各国から譲歩を引き出す意向を持っている。そのため、今回の90日間の停止措置を発表するに至った。

「すべての交渉は個別対応かつオーダーメイドの形式で行われることになる」と説明した。

さらに、「まずグローバルな関税計画を提示し、その後、関税停止措置へと移行する流れは、トランプ大統領の一貫した戦略である」と分析した。そして「これは相手を罠に誘導するような戦術であり、中国は厳しい状況へと追い込まれた」と指摘した。すなわち、中国がアメリカへの報復関税を実施したことで、より高い関税に直面し、他国はトランプ大統領から奨励を受けた状況となった。

ベッセント長官は「これまで私が繰り返し訴えてきたように、そしてトランプ大統領も長年主張してきたように、中国は現代世界史上、最も不均衡な経済体制を有している。中共はアメリカの貿易問題の最大の原因である」と強調した。

現実に、中共は他国の経済にも影響を与えている。アメリカが関税強化策を発表した直後、多くの商品がヨーロッパ市場に流れ込んでいる。

ヨーロッパ委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、4月8日、中共の李強首相と電話会談を行い、貿易の転換に関する可能性とその対応策について意見を交わした。EUは、アメリカによる対中関税引き上げ後、中共がアメリカ向けに輸出予定だった低価格商品をヨーロッパ市場に投げ売りする事態を懸念している。

張婷