6月4日、1989年の天安門抗議運動を中共が武力で鎮圧した記念日にあたり、イギリスを拠点とする国際言論自由組織「第十九条」が報告を発表し、中国共産党(中共)による海外抗議者や人権批判者への体系的な越境弾圧の実態を明らかにした。この報告は、中共の越境弾圧が世界で最も複雑かつ大規模な組織的行動であると指摘する。
報告のタイトルは『グローバルへ:中国(中共)による世界中の抗議者への越境弾圧』(GOING GLOBAL China’s Transnational Repression of Protesters Worldwide)だ。
資料検証および海外亡命者の証言をもとに、報告は2011~24年にかけて中共による越境弾圧の事例を収録し、対象国は12か国に及んでいる。
報告は「中共は、国際的な嫌がらせと脅迫を展開し、世界中の中国人権運動を体系的に封じ込めることを唯一の目的として行動している」と指摘している。
調査によって、中共の越境弾圧は世界最大級の複雑な組織的行動であることが明らかとなった。弾圧ネットワークには政府機関、公式代理人、民間組織が含まれ、国安部や公安部は海外に大規模な秘密警察網を構築している。大使館・領事館の職員やオンラインインフルエンサーも弾圧活動に加担しており、標的は主に海外に逃れた政府や体制に対して異議を唱える人だ。
観察者は、中共の人権状況を公然と非難する人物が弾圧の中心的な標的となっていると指摘している。
中共の迫害対象には、海外の少数民族や宗教団体であるチベット人、ウイグル人、法輪功学習者などが含まれる。
弾圧の手段には、身体的攻撃、脅迫、国際法制度の悪用、デジタル監視、拉致、強制送還、さらには抗議者の家族への報復まで含まれる。
報告は、中共の高官が訪問する際や、大使館・領事館前での抗議活動が越境弾圧の主な現場となっている点にも注目している。
人権団体「フリーダム・ハウス」は、中共の越境弾圧が少なくとも36か国に居住する数百万の中国人および少数民族に影響を及ぼしていると推定。
報告は、各国に暮らす抗議者たちに対して、団結と連携を強化し、強靭な国際ネットワークを築いて反共運動を継続すべきだと呼びかけている。
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