ミネソタ州議員銃撃事件の容疑者を逮捕

2025/06/16 更新: 2025/06/16

アメリカ当局は、ミネソタ州の議員とその夫を殺害し、州上院議員とその妻を襲撃した容疑で指名手配されていたヴァンス・ボールターを拘束したと発表した。

ミネソタ州知事ティム・ウォルズ 氏は、6月15日(日曜日)の夜遅くに行われた記者会見の直前に逮捕を発表した。

「我々は彼を捕まえた」とウォルズ 氏はX(旧Twitter)に投稿した。

「2日間にわたる捜索と2晩の不眠の末、法執行機関はヴァンス・ボールターを逮捕した」とウォルズ 氏はその直後の記者会見で述べた。

ウォルズ 知事は、この暗殺事件はアメリカ国民が団結し、「この国の根本的価値観を再確認する」べきであることを示していると語った。

「暴力が常態化してはならない」とウォルズ 氏は述べた。

ミネソタ州犯罪捜査局のドリュー・エヴァンス局長は、ボールターが元ミネソタ州下院議長メリッサ・ホートマン氏とその夫マークさんの殺害で2件の殺人罪、州上院議員ジョン・ホフマン氏とその妻への銃撃で2件の関連罪で起訴されると述べた。連邦当局も追加の罪状を検討中である。

ブルックリンパーク警察署長マーク・ブルーリー氏は、この捜査作戦の規模について「これは州史上最大の捜索劇であることに疑いはない。現場には20ものSWATチームが広範囲にわたりこの容疑者を追い詰め、逮捕に至った」と語った。

ミネソタ州警察の幹部ジェレミー・ガイガー氏は、ボールターの逮捕について、捜索中に法執行官に負傷者が出なかったことを称賛した。警察はミネソタ州シブリー郡の200番通り付近、ミネアポリス南東の農村地帯で彼の行方を追っていた。

「容疑者は自ら這って法執行チームの元に近づき、その場で逮捕された。逮捕時に実力行使は一切なかった」とガイガー氏は述べた。

エヴァンスは氏、逮捕時にボールターが携帯電話を所持していたかどうかについては回答を拒否した。

ボールターの逮捕は、地元・州・連邦当局が数日間にわたり捜索を行った末のことである。日曜日の早い時間、当局はボールターが逃走に使ったとみられる車両をミネソタ州の農村地帯で発見し、捜索したと発表していた。

ボールターは、マスクを着用し警察官になりすまして、6月14日にホートマン氏(民主党)とその夫をブルックリンパークの自宅で射殺したとされている。

ホフマン氏(同じく民主党)とその妻イヴェットもチャンプリンの自宅で負傷しており、ボールターがその事件の容疑者でもあると当局は付け加えた。

「ホフマン夫妻が現在も我々と共にいること、そして今後も順調に回復していくことを非常にありがたく思う」とエヴァンスは述べ、2人が捜査に協力していることを明らかにした。

エヴァンス氏は、ボールターが単独で行動したとみられると述べた。「この事件の容疑者が他者と共謀した形跡はなく、すべて単独で行ったと考えられる」

また、エヴァンス氏は一部メディアが「マニフェスト」と報じた文書が発見されたことを認めた。この文書はノートであり、他の議員の名前や考え、その他の文書が散在して記されており、一般的に「マニフェスト」と呼ばれるような組織的な政治・思想声明ではなかったと説明した。

FBIは、ボールターの逮捕と有罪判決につながる情報に最大5万ドルの報奨金を提示し、銃撃事件発生直後の6月14日夜に容疑者の写真を公開した。

当局は動機を公表していないが、ウォルズ知事は「政治的動機による犯行のようだ」と述べている。記録によれば、ボールターはかつてホフマン氏と同じ州の労働力開発委員会の政治任命職に就いていた。

ホートマン氏(55歳)は2017年から州下院の民主党リーダーを務めていた。今年の会期初めには、共和党との対立で3週間のストライキを主導した。権力分担協定の下、彼女は議長の座を共和党のリサ・デムス下院議員に譲り、「名誉議長」の肩書を得ていた。

彼女の死後、ウォルズ知事は「彼女はミネソタ州にとって欠かせない存在であり、多大な貢献をしてきた素晴らしい公務員だった」と称賛し、この銃撃事件を「政治的動機による暗殺」と表現した。

6月15日、エイミー・クロブシャー上院議員(民主党・ミネソタ州選出)は、ネット上での脅迫を非難し、ネットに動機や疑いを投稿する前に一度立ち止まるよう呼びかけた。

「ホートマンは正しい理由のためにすべてを行った人物だった。政党を問わず、次に投稿する前に彼女の顔を見てほしい」とクロブシャー氏は述べた。

FBIミネアポリス支局長アルビン・ウィンストン氏は声明で、この銃撃事件を「公僕とその家族に対する計画的かつ暴力的な行為」と非難し、容疑者や事件に関する情報提供を市民に呼びかけた。FBIミネアポリス支局および公式Xアカウントは、6月15日午後時点で事件に関する新たな情報を発表していない。

ボールターとみられるLinkedInプロフィールによれば、彼の直近の役職は「レッドライオングループホテル」のCEOであり、同ホテルはコンゴ民主共和国に拠点があると記載されている。

また、彼と妻のジェニファーは「プラエトリアン・ガード・セキュリティ・サービスLLC」という警備会社も運営しているようで、妻が同社の最高経営責任者とされている。

同社ウェブサイトによれば、武装警備サービスのみを提供しており、ボールターは「東欧、アフリカ、北米、中東(ヨルダン川西岸、南レバノン、ガザ地区を含む)での警備業務に関与してきた」と記している。

また、「現場経験と民間警備会社や米軍関係者による訓練を受けている」とし、「米国最大の石油精製会社、スイスに本拠を置く世界最大の食品会社、日本に本拠を置く世界最大のコンビニエンスストア運営会社で勤務した」とも記載されているが、これらの主張はエポックタイムズでは直ちに確認できなかった。

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。
エポックタイムズ記者。主に議会に関する報道を担当。
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