海上自衛隊の星直也装備計画部長は7月11日、オーストラリア東部ブリスベンに停泊中の米海軍艦船上で、米国・オーストラリア両海軍の責任者とともに、日米豪3カ国海軍によるロジスティクス協力の強化に関する文書に署名した。今回の協定では、艦船の弾薬補給や海上給油、修理、部品供給など、各国の海軍が互いに支援し合う体制を一層強化することが盛り込まれている。共同通信などが報じた。
これまで日米豪3カ国は、2国間での補給や修理などの協力を進めてきたが、今回の合意により3カ国の枠組みで装備や燃料などを柔軟に融通できるようになり、相互運用性と機動性がさらに高まる見通しである。星部長は署名式で「新たな取り決めによって活動範囲が広がり、効率性を高められる」と述べた。

背景には、インド太平洋地域で中国が軍事的な動きを強めている現状がある。日米豪3カ国は、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の実現を目指し、連携を強化することで地域の平和と安定、抑止力の向上を図る狙いがある。
また、今回の協定はオーストラリアが進める最大100億豪ドル(約9600億円)規模の新型汎用フリゲート艦計画にも影響を与える可能性がある。日本はこの計画の受注をドイツと争っており、日米豪の協力強化が日本にとって追い風になるとの見方も出ている。
海上自衛隊は今後も、米豪両国と協力しながらFOIPの実現に向けた取り組みを続けていく方針である。
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