トランプ大統領 フェンタニル取引の厳罰化法に署名

2025/07/17 更新: 2025/07/17

ドナルド・トランプ米大統領は水曜日、ホワイトハウスのイーストルームでフェンタニル取引全廃法(Halt All Lethal Trafficking of Fentanyl Act)に署名した。

フェンタニル撲滅法とも呼ばれるこの法案は、超党派の支持を受けて可決されたものであり、致死性オピオイドに関連する物質を米国連邦規制物質法の下で最も厳しい分類であるスケジュールI薬物に再分類するものである。

この種の薬物は医療上許容される価値がないと見なされており、国内で最も厳しい刑事罰の対象となる。

本法はまた、フェンタニルおよび派生薬物の100グラム以上を流通させた者に対し、最低10年の懲役刑を義務付けている。

「これは画期的な取り組みだ」とトランプ氏は述べた。「我々は麻薬の売人を街から一掃するつもりだ。そして、薬物の過剰摂取による悲劇を完全に終わらせるまで、決して手を緩めない。我々は必ずやこの惨事に終止符を打つ」

米国麻薬取締局(DEA)によれば、致死量は使用者の耐性にもよるが、おおよそ0.02グラムまたはそれ以下である。

トランプ氏は2期目の就任以降、フェンタニル流通への対策として、カルテル組織を外国テロ組織に指定し、また中国、カナダ、メキシコが合成前駆体(違法薬物の原料物質)の流入を防げなかった、または生産を助長したとして関税を課すなど、複数の政策決定を行ってきた。

新法は、カルテルや他の犯罪組織がフェンタニルと類似した物質、たとえばフェンタニルの100倍強力なカーフェンタニルなどを新たに作り出してきた抜け穴をふさぐものとなる。

「何年にもわたり、違法なフェンタニルを製造する者たちは、化学構造をわずかに変えることで法的規制をかいくぐろうとしてきた。そしてその過程で、さらに毒性の強い薬物を作り出すに至った」とトランプ氏は述べた。

15歳の息子ウェストン君をフェンタニル中毒で亡くしたアン・ファンダーさんは、「この法案が命を救う助けになる」として議員たちに感謝の意を示した。フェンタニル関連薬物の犠牲者の家族や友人ら数十人が、愛する人々の写真を手に大統領の背後に立ち、法案署名に立ち会った。

「大統領、4年間私たちは無視されていると感じていましたが、あなたがその状況を変えてくれました。本当に感謝しています」「子どもたちを守ってくれてありがとう」とファンダーさんは述べた。

麻薬取締局(DEA)の統計によれば、過去3年間、アメリカ国内では年間10万人以上が薬物の過剰摂取で死亡している。疾病管理予防センターのデータでは死者数は減少しているものの、フェンタニルの過剰摂取は依然として18歳から44歳のアメリカ人の死因第一位である。

ファンダーさんの息子や、イベントで発言したグレッグ・スワンさんの息子で同じく亡くなったドリュー君など、多くの被害者は、自分がフェンタニルやその関連薬物を口にしているとは全く知らなかった。彼らは、アデラルやザナックスなどの有名な薬を買ったつもりだったが、実際にはオピオイドが混ざった偽の薬を売られていた。

カリフォルニア州をはじめ、全米の多くの州政府は、フェンタニルによる死亡を減らすため、同じように刑罰を重くしたり、フェンタニルの危険性を広く知らせる法律を作っている。

しかし一方で、こうした厳罰化が社会的に弱い立場の人々の逮捕や収監を増やし、かえって悪い影響を及ぼすという批判も出ている。

カリフォルニアを拠点とする熱心な読書家であり、ジャーナリズムである。大紀元の金融、政治、州議会、そして速報ニュースを担当している。