Googleが資金支援見直し DEI団体58社削減

2025/08/04 更新: 2025/08/04

米IT大手Googleが毎年実施している団体・機関への寄付に関し、今年初めに200を超える団体を支援対象から外していたことが、最新の調査で明らかになった。中でも、「多様性・公平性・包括性(DEI)」に関連する団体の削減が最も多かった。

テクノロジー企業を監視団体「テック・トランスペアレンシー・プロジェクト(Tech Transparency Project)」が8月1日に公表した報告書によると、Googleは2024年の支援リストから214の団体を削除し、新たに101の団体を追加した。そのうち、DEIに関わる団体は58が削除され、15が新たに加えられている。

TTPの調査によると、削除された団体の多くは、「多様性」「公平性」「包括性」「人種」「アクティビズム(市民運動)」「女性」といった語句をミッションやビジョンに掲げていた。トランプ政権当局者は連邦政府機関に対し、これらの言葉の使用を制限または回避するよう要請したと報じられた。

今回削除された団体には、黒人や歴史的に社会から排除してきたグループの支援を行う団体や、ラテン系住民の人種的平等を促進するリーダー団体、移民の子供たちに課外体験を提供するEnroot、女性への暴力に関する研修・支援・啓発活動を行う全米ドメスティック・バイオレンス・ネットワーク(NNEDV)などが含まれている。

GoogleはアメリカCNBCに対し、2024年にNNEDVへ7万5千ドルの寄付を行ったと明らかにした。ただし、同団体を支援リストから外した理由については説明していない。NNEDVは過去9年連続でGoogleから寄付を受けており、現在も同社をパートナー団体として掲載している。

Googleの公式サイトによると、今回の支援リストの更新は2024年2月に行われたという。広報担当のホセ・カスタニェダ氏はCNBCに応じ、「このリストは2024年の一部の寄付を反映したものであり、他の部署によるすべての寄付活動を網羅したものではない」と語った。

カスタニェダ氏はまた、「私たちは、政治的立場の異なる数百の団体に寄付を行っている。これらの団体は、革新的な政策を支持し、それぞれの分野で大きな影響をもたらしている」と述べた。

TTPは、Googleのアメリカ政府関係・公共政策部門が公表した最新の「大口寄付先リスト」に基づいて報告書をまとめた。リストからは、地方の商工会議所、大学、技術政策関連団体など、規模の小さな組織も削除されていたという。

TTPは今回の動きについて、Googleはトランプ大統領による反DEIの動きに歩調を合わせている兆しだと指摘している。

現時点では、Googleがこれらの団体への支援を完全に打ち切ったかどうかは不明だが、報告書は同社がDEI関連団体と距離を取り始めている可能性を示唆している。

 

李芳
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