石破首相 「アフリカ開発会議」で新経済圏構想を提唱 30か国以上の首脳と会談へ

2025/08/20 更新: 2025/08/21

石破茂首相は8月20〜22日に横浜市で開催する「第9回アフリカ開発会議(TICAD9)」で、新たな経済圏構想「インド洋・アフリカ経済圏イニシアチブ」を提唱した。

アフリカ開発会議は、1993年以来、日本政府が主導し国連や国連開発計画(UNDP)、世界銀行、アフリカ連合委員会(AUC)と共同で開催。石破首相が同会議の共同議長を務める。

20日に横浜で開催された「第9回アフリカ開発会議(TICAD9)」 (Photo by Franck ROBICHON / POOL / AFP) (Photo by FRANCK ROBICHON/POOL/AFP via Getty Images)

石破総理大臣は期間中、30か国以上の首脳らと個別に会談を重ねる予定。同会議の閉幕時に、首脳間の共同文書「横浜宣言」の採択を目指す。

新経済圏構想「インド洋・アフリカ経済圏イニシアチブ」は、インドから中東、アフリカまでを一つの経済圏として捉え、相互の連携強化に向けた取り組みで、アフリカとインド洋の経済・産業の発展を進め、自由で公正な経済圏の構築を目指す。

また、この地域に影響力を強める中国共産党政権を念頭に、日系企業の進出を後押し、投資も拡大させる狙いがある。

近年、中国共産党(中共)はアフリカでの影響力拡大を急速に進めており、広域経済圏構想「一帯一路」戦略を通じ、道路や港湾、鉄道、空港、電力プラントなどのインフラ建設が進行中であるだけでなく、中国企業が資金提供や運営に深く関与することで、多くのアフリカ諸国は財政や貿易面で中共政権に依存する構造が強まっている。

その上、インフラ整備に伴う貸付や投資は長期的な債務問題も生み、中共側の政治的影響力を背景にした外交関係の強化にもつながっている。また、通信やデジタル決済、衛星技術など新興分野への進出も進み、中共の経済的・技術的支配力は従来以上に拡大している。



監視技術による新植民地主義 中共のAIがアフリカに及ぼす影響

専門家らは、中国共産党政権が自国の「監視国家」モデルをアフリカに輸出し、アフリカ大陸のAIシステムを稼働させるために不可欠なインフラ、データ、エネルギーの掌握体制を急速に整えていると指摘する。

エポックタイムズ記者。日本の外交をはじめ、国内外の時事問題を中心に執筆しています。
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