電動キックボードのエリア別速度制御へ あいおいニッセイ同和損保ら4社が連携

2025/08/22 更新: 2025/08/22

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、国立大学法人香川大学、株式会社ナビタイムジャパン、BRJ株式会社の4社は、2023年7月13日、電動キックボードの安全・安心な走行環境の構築に向けた連携を開始した。

4社の調査によれば世界初となる「エリア別速度コントロール」モデルを開発。交通事故の危険性をエリア別に判定し、走行速度を自動制御する技術の実装を進めている。

近年、電動キックボードは地域の交通課題を解決する新たなモビリティとして全国で導入が加速している。2023年7月の改正道路交通法では、16歳以上は運転免許不要となったが、ヘルメット着用は努力義務となり、利用拡大が見込まれている。

しかし現在、交通ルールにそぐわない使用が見られ、それに伴い事故も発生しており、ルール啓発や安全な走行環境の整備が課題となっている。

4社は仮想空間での走行実験を可能にする電動キックボードVRシミュレータを共同開発した。このシミュレータは、歩行者や自動車の交通量、道路の幅員に応じて交通事故の危険性をエリア別に判定し、最適な速度を算出する。

エリアごとに異なる速度制限を自動で適用する技術「エリア別速度コントロール」は、このシミュレータを基に構築され、BRJ株式会社の電動キックボードに搭載されている「ジオフェンシング機能」に実装される。この機能はGPSを使って特定エリアでの走行を制限・制御するものだ。

これにより、危険エリアでの最高速度を自動制御可能となるという。さらに、あいおいニッセイ同和損保とナビタイムジャパンは、専用ナビゲーションシステムに走行者に適切な速度をリアルタイムで知らせる「最適速度通知機能」を追加予定だ。

また自治体向けにVRシミュレータを活用した安全運転教育支援メニューの構築も計画している。

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