ジョン・ボルトン元国家安全保障担当補佐官がスパイ防止法で起訴

2025/10/17 更新: 2025/10/17

ジョン・ボルトンは、ドナルド・トランプ大統領の最初の任期中に大統領の国家安全保障担当補佐官を務めたが、10月16日、機密情報の無許可共有および保持の疑いで起訴された。

メリーランド州連邦地方裁判所に提出された連邦大陪審起訴状によると、76歳のボルトンは、スパイ防止法(Espionage Act)に基づき18件の罪に問われている。

連邦検察官は起訴状で、「2018年4月9日ごろから少なくとも2025年8月22日ごろまで、ボルトンは国家安全保障担当補佐官としての地位を乱用し、国家安全保障担当補佐官としての日常業務に関する情報―最高機密(TOP SECRET/SCI)レベルにまで分類された国家防衛に関する情報を含む―を2人の無許可の個人と共有した」と主張している。

ボルトンの弁護士であるアッベ・ローウェル氏はAP通信に対し、「これらの容疑は、ボルトン(大使)が45年にわたるキャリアで作成した個人的な日誌の一部に起因するものであり、それらの記録は機密扱いではなく、近親者のみ共有され、2021年の時点でFBIも把握していたものだ」と語った。

「歴史上多くの公職者がそうであったように、ボルトン(大使)は日誌をつけていた。それは犯罪ではない」と述べた。

ジョージ・W・ブッシュ大統領の下で国連大使を務めたボルトンは、2018年にトランプ大統領の国家安全保障担当補佐官に就任した。トランプ大統領は2019年にボルトンを解任し、両者はその後数年間にわたり互いを批判し合っている。

トランプ大統領はホワイトハウスで、起訴の報道についてコメントした。

「知らなかった」と彼は記者団に語った。

トランプ大統領は、ボルトンに対する訴訟についてまだ確認していないと述べた。

「君から初めて聞いたが、彼はよくない人物だと思う」と述べ、「残念なことだが、それが現実だ」と語った。

起訴状は、ボルトンが機密情報を共有したとされる2人の匿名の個人に焦点を当てている。起訴状によると、この2人はボルトンの親族だという。

ボルトンは国家安全保障担当補佐官在任中、「最高機密(TOP SECRET/SCI)レベルに分類された情報を含む」「日誌のような記述」を定期的に彼らに送っていたとされている。

ボルトンに対する18件の訴因は、国家防衛に関する情報の保持と送信の2つのカテゴリーに分類される。

問題の文書には、外国のインテリジェンスや米国政府が実施した秘密行動に関する情報を含む情報が含まれていた。

例えば、起訴状は最高機密情報を含む文書の1つについて、「将来のミサイル発射を計画している外国の敵対者のインテリジェンス、機密性の高い政府間行動に関連する外国での秘密行動、人的情報(ヒューミント)を収集するために使用された機密性の高い情報源と手法を明らかにする」と説明している。

また、ボルトンが保持していたとされる別の文書は、「外国の敵対者の発言を入手するために使用された情報源と収集方法、米国政府が外国で実施した秘密行動を明らかにする」と説明されている。

国家安全保障担当補佐官として、ボルトンはワシントン郊外のメリーランド州ベセスダの自宅に、機密情報の処理と保管が承認された機密情報隔離施設(Sensitive Compartmented Information Facility, SCIF)を持っていた。しかし、起訴状によると、彼が「機密情報を非機密システムで保管または送信することを許可されたことは一度もない」という。

ボルトンは、個人の非政府用Eメールアカウントを使用して最高機密情報をEメールで送信したとされる。

「ボルトンが個人の電子機器およびアカウントを介して個人1および個人2に送信した機密情報を保管または送信する権限は、いかなる時点においてもなかった」と起訴状には記載されている。「また、個人1または個人2が、ボルトンが彼らに提供した機密情報を知る、または保管する権限もいかなる時点においてもなかった」という。

この容疑は、当局がワシントン郊外のメリーランド州ベセスダにあるボルトンの自宅を捜索し、文書などの物品を押収した後に提起された。裁判所文書によると、この捜索は「犯罪の証拠」を探すことが目的だった。

ローウェル弁護士は以前、報道機関に対し、「ボルトン(大使)の自宅から押収された資料は、この国に40年間奉仕したキャリアの通常の記録である」とする声明を出していた。

FBI長官のカシュ・パテル氏は、ボルトンが連邦法を直接的に侵害したと述べた。

パテル氏はXに投稿された声明で、「この訴訟は、恐れることなく、えこひいきすることなく事実を追及したFBIの献身的な専門家による綿密な作業に基づいている」と述べた。

「司法の武器化(政治的利用)は容認されない。そしてFBIは、国家安全保障を脅かす者があれば、誰であろうと法の裁きにかけることをためらわない」と結んでいる。

ワシントン特派員 サム・ドーマンは、エポックタイムズの裁判と政治を担当するワシントン特派員です。X で @EpochofDorman をフォローできます。
メリーランド州に拠点を置く大紀元のシニアリポーター。主に米国と世界のニュースを担当。
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