トランプ大統領「高市首相はセンスがいい」と称賛 日本がフォード製ピックアップトラック100台購入を検討

2025/10/27 更新: 2025/10/27

日本政府は、米フォード製の完全電動ピックアップトラック「F-150ライトニング」100台の導入を検討中だ。トランプ米大統領は高市早苗首相の決断を称賛し、日米貿易や外交関係のさらなる強化に期待を示した。両国の協力体制は、対中国政策や経済分野でも注目されている。

トランプ大統領がアジア歴訪に出発する直前、高市早苗首相がフォード製F-150ピックアップトラック100台の購入を計画しているとの報道があった。この計画は、日米間の貿易および外交関係を一層強化することを目的としているとみられている。

トランプ大統領はアジアに向かう飛行機内でこの報道に触れ、「高市首相はセンスがいい」と称賛し、フォードF-150が人気の高いモデルであると述べた。

トランプ大統領は大統領専用機「エアフォースワン」でアジアへ向かう途中、この計画を即座に支持した。同行記者団に対し、「彼女はセンスがいい。あれは人気のあるトラックだ」と語った。

さらにトランプ大統領は機内で、「彼女はきっと優れた成果を上げるだろう。彼女は安倍氏の良き友人であり、安倍氏は偉大な人物だった」と述べた。

トランプ大統領は10月25日、移動中に高市首相と電話会談を行った。高市首相は、自身が安倍晋三元首相のもとで政治を学んだことを述べ、安倍氏がトランプ氏の第1期政権下において確固たる同盟者であったことに言及した。また高市首相は、トランプ氏がイスラエルとハマスのガザでの停戦を促し、人質解放を後押ししたことを評価した。

高市首相はメディアの取材に対し、通話内容の一部を明らかにした。「トランプ大統領は非常に明るくユーモアのある方だった。私に強い印象を持っていたようで、安倍元首相が目をかけていた政治家として私のことを覚えていると話してくださった。私からは、大統領を東京でお迎えできるのを心から楽しみにしていると伝えた」と語った。

トランプ大統領は27日に東京に到着し、翌28日に高市首相との首脳会談を行い、会談では、貿易協力や中国への対応などの課題について協議が行われる予定である。その後、トランプ大統領は米国の航空母艦「ジョージ・ワシントン」で演説を行い、企業経営者との晩餐会にも出席する。

日米関係強化、対中交渉でのカードに

ワシントンのシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」日本部門議長のクリスティ・ゴヴェラ氏は、「トランプ氏と習近平との会談を控え、トランプ大統領は日米の安定した関係を示すことで、中国との交渉における自らの立場を強化しようとしている可能性がある」と分析した。

現在、米国と日本はともに中国製造業の拡張を抑制する方針を打ち出しており、とりわけ電気自動車(EV)、人工知能(AI)、先端半導体分野などで、両国の経済に及ぼす影響を抑える狙いがある。

トランプ大統領は10月29日に韓国を訪問し、翌日にアジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席するとともに、中共党首の習近平との会談を予定している。

高市首相にとって、これは就任後初めての本格的な外交試練となる。

トランプ大統領はこれまで、同盟国に対して米国製品の購入拡大や、米国内での工場建設およびエネルギー基盤への投資を呼びかけてきた。

日米貿易協定では、日本が米国内で総額5500億ドル規模の投資を行うことで合意しており、米国はその見返りとして日本製品に対する関税を25%から15%に引き下げることとなっている。さらに日本側は、これらの投資が日本の供給業者や請負業者に優先的な利益をもたらすことを期待している。

経済産業大臣の赤澤亮正氏は、日本の経済産業省が半導体およびエネルギー分野の関連プロジェクトリストを取りまとめ、対米投資目標の達成を目指していると述べた。赤澤氏によれば、すでに複数の日本企業が米国での投資計画に強い関心を示しているという。

曾子衡