ベネズエラ反体制派指導者 マドゥロ政権への米国の圧力を支持

2025/12/16 更新: 2025/12/16

ベネズエラの反体制派指導者でノーベル平和賞受賞者であるマリア・コリーナ・マチャド氏(58)は、先週、米国がベネズエラ沖で原油タンカーを押収した件を含め、ニコラス・マドゥロ率いるベネズエラ政府に対するトランプ政権の対応を支持すると述べた。

マドゥロ政権による訴追を恐れ、ベネズエラ国内に潜伏していたマチャド氏だが、先週、ノーベル平和賞を受賞するためノルウェーを訪れた。ノーベル賞委員会は、この受賞が「ベネズエラ国民の民主的権利を促進する」彼女の努力に対して贈られたものだと説明している。

12月14日に放送されたCBSニュースとのインタビューで、マチャド氏は、10月の受賞決定直後に自身のSNS投稿で「トランプ米大統領にこの賞を捧げる」と述べた理由について、トランプ氏が「ベネズエラを、米国の国家安全保障上の優先事項として、本来あるべき場所に置いた」ためだと語った。

マチャド氏は、「私はトランプ大統領の戦略を完全に支持しており、私たちベネズエラ国民は彼と彼の政権に非常に感謝している。なぜなら、彼はこの西半球における自由の擁護者だと信じているからだ」と述べた。さらに、米国とベネズエラの緊張が高まる中、マドゥロ政権の命運は尽きかけているとの見解を示した。

米軍はカリブ海地域でのプレゼンスを強化しており、米当局が米国への違法薬物輸送に関わっているとする船舶に対して攻撃を実施している。

パム・ボンディ司法長官は先週、米国が12月10日にベネズエラ沖で原油タンカーに対する押収令状を執行したと述べた。ボンディ氏によると、「M/Tスキッパー」と名付けられたこの船舶は、ベネズエラとイランからの制裁対象の石油輸送に使用されていたという。

ベネズエラ政府は12月10日の声明で、米国を窃盗で非難し、この押収を「国際的な海賊行為」であると形容した。また、この事件を国際機関で糾弾する意向であると述べた。

トランプ政権はまた、マドゥロ氏が米国への麻薬密輸に関与していると非難する中、マドゥロ政権との関係が疑われるとして、マドゥロ氏の妻シリア・フローレス氏の甥3人と、ベネズエラの石油部門で活動する海運会社6社に対しても制裁を科した。マドゥロ氏とベネズエラ政府は、これらの疑惑を繰り返し否定している。

マチャド氏は、マドゥロ政権が「ベネズエラを国際的な犯罪とテロ活動の安全な隠れ家にした、非常に複雑な犯罪組織」を作り上げたと指摘し、トランプ政権の行動を支持すると述べた。

彼女は、「あらゆる犯罪組織は、その犯罪活動による資金流入が断たれると苦境に陥る。マドゥロ政権の場合、それは闇市場での石油取引から麻薬密売、金密輸、武器密輸、さらには人身密輸・人身取引に及ぶ」と述べた。「だからこそ、法の執行を適用することが非常に重要だと信じている。私たちはこれを長年求めてきたのであり、ついに実現しつつあるのだ」。

米国によるさらなる押収や封鎖を支持するか問われると、マチャド氏は、マドゥロ政権の違法行為をさらに阻止するために、米国だけでなく、カリブ海諸国、ラテンアメリカ諸国、欧州諸国による「法執行を通じたあらゆる法的措置」を望んでいると答えた。

「それはなぜか? 理由は武力による権力維持のコストを上げる必要があるからだ。権力維持のコストが権力からの離脱のコストよりも高くなるという地点に達すれば、政権は崩壊する。そして、その時こそ、私たちが交渉による移行へと進むべき瞬間だ」と彼女は述べた。「これは私たちが昨年、地滑り的な大統領選挙の勝利後にマドゥロに最初に提示した選択肢だが、彼はそれを拒否しただけでなく、知っての通り、我々の歴史上最悪で最も残忍な弾圧の波を解き放ったのだ」。

マチャド氏は昨年の大統領選挙への立候補を禁止され、代わりに反体制派候補のエドムンド・ゴンサレス氏を支持した。ベネズエラの選挙管理当局はマドゥロ氏を勝者と宣言し、3期目となる6年の任期を確保したが、米国を含む複数の国々が結果の正当性に疑問を呈した。

ゴンサレス氏は、係争中の選挙結果を受けてベネズエラ当局が逮捕状を出した後、2024年9月にスペインに亡命した。マチャド氏は訴追を避けるために潜伏している。

米国とアジア太平洋地域のニュースを担当するフリーライター。
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