米パデュー大学 中国人学生の受け入れ停止 他大学も追随か

2025/12/17 更新: 2025/12/17

米パデュー大学が新年度の大学院入学方針を発表し、その内容が注目を集めている。同大学は「敵対国」とみなされる国々、中共やイランなどからの学生を受け入れない方針を決定した。この措置は多くの中国人留学生に大きな影響を及ぼしている。専門家は、中共が留学生を情報活動に利用してきた実態を指摘し、その影響で多くの中国人学生が貴重な海外留学や研究の機会を失うことになったと述べている。

パデュー大学は今季の募集期間で、「敵対国」からの留学生の受け入れを拒否した。その対象には中共のほか、ロシアやイラン、ベネズエラ、キューバ、北朝鮮などが含まれている。大学院の入試業務に携わるある教員は、大学側から「中国人学生に合格通知を出さないように」との指示を受けたと明らかにした。

米教育専門ニュースサイト「インサイド・ハイヤー・エド」によると、在校中および入学予定の大学院生の証言から、パデュー大学が多数の中国人応募者の入学を拒否していたことが確認されているという。

米サウスカロライナ大学エイケン校の謝田教授は「中共はこれまでも一貫して留学生を利用し、彼らを募集して、中共のスパイに仕立て上げているのだ」と述べた。

今年3月、米下院の「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会」は、パデュー大学に対して在学中の中国人学生に関する情報の提出を求めた。委員会は、「米国の学生ビザはすでに北京のトロイの木馬になっている」と警鐘を鳴らしている。

これに対し、パデュー大学は声明で、中共が米国に対して「増大する脅威」をもたらしていることを認め、「米国の大学を利用して技術的・軍事的拡張を進めようとしている」と非難した。

6月、同大学は「敵対国」に関する新たな方針を決定し、教職員がこれらの国々と財務面および学生募集に関する関係を持つことを禁止した。

謝田氏は「中国の若年層がその犠牲になっている。責任は当然、中共にある。これは極めて遺憾な事態であり、数えきれないほど多くの中国の若者たちが、こうした貴重で素晴らしい機会を失ってしまった」と指摘し、「パデュー大学は米国の委員会の呼びかけに正式に応じた最初の例にすぎず、他の大学も必ずこれに続くと考えている」との考え方を示した。

パデュー大学の大学院生組織「研究生権益と福祉のための組織(GROW)」の責任者の一人である大学院生のキラン・ヒルマーさんは、大学がこのような措置を取った理由について、連邦政府または州政府からの助成金が打ち切られることを懸念したためだと説明している。

今年にパデュー大学を卒業した中国人留学生の陳朗日さんによると、多くの中国本土出身の学生が同大学の名門である機械工学を専攻しており、その多くの研究活動は米国の国防分野と深く関わっていると述べている。

 

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