アメリカは12月29日、国連と覚書を締結し、世界各地で行われている人道支援活動を引き続き強力に支援する方針を確認するとともに、その効果と効率を高め、アメリカの納税者に対する説明責任を強化するため、国連に改革を求めた。
あわせて、アメリカは国連の人道活動に対し、20億ドルの支援を拠出すると発表した。
米国務省は声明で、この拠出により、2026年だけでも数千万人が飢餓や疾病、紛争による被害から守られる見通しだとし、新たな支援の仕組みによって、従来の方式と比べ納税者に約19億ドルの節約効果が見込まれると説明した。
アメリカは長年にわたり国連の最大の人道支援国で、2021年以降、総額540億ドル以上を拠出している。一方、国務省は、国連が約束した改革を十分に実行できていないとして問題視している。
ルビオ国務長官は、今回の合意について、アメリカが国連の人道事業に対する資金の使い道や監督の方法を抜本的に見直すものだと説明し、「より少ない税金で、より多くの命を救うことが目標だ」と強調した。
また、他の先進国にも負担を分かち合うよう求めるとともに、国連に対しては組織の合理化や、透明性と責任ある運営体制の強化を求める方針を示した。
国連で人道支援を統括するフレッチャー事務次長は、米国の20億ドルの拠出を歓迎し、「トランプ大統領、ルビオ国務長官、ジェレミー・ルーイン副長官の大胆かつ先見性ある指導力は、数百万人の命を救うだろう」と評価した。
また改革は、今後のアメリカと国連人道問題調整事務所(OCHA)、および人道支援体制との協力の中核になるとし、「アメリカの納税者は支援の使途を知る権利がある。1ドルごとに、どのように命の救済につながるのかを示していく」と述べた。
一方、アメリカは今年、約50億ドルに上る対外援助や国際機関への拠出を打ち切り、トランプ米大統領の「アメリカ・ファースト」方針に基づき、二国間協力を重視する新たな戦略へ転換している。
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