中国 「冗談の一口」が赤ちゃんを殺しかけた

祖父が与えた酒で5か月児 肝不全寸前に=中国

2026/02/10 更新: 2026/02/10

こんな光景に見覚えはないだろうか。大人が面白半分でビールの泡を指や箸につけ、子供の口に運ぶ。「どうだ、苦いだろ」と言い、子供が「にがい!」と顔をしかめて吐き出す。その反応を見て大人たちは笑う。

「うちの祖父もやっていた」という人も少なくないはずである。だが、その「あるある」が、赤ちゃんの命を奪いかねない危険行為であるとしたらどうだろうか。

中国・河南省鄭州市で、実際にその延長線上の出来事が起きた。家族の集まりの場で、祖父が箸に酒(白酒)をつけ、5か月の赤ちゃんの口に何度も酒を運んだという。

白酒は中国で広く飲まれている蒸留酒であり、アルコール度数は日本酒の数倍にあたる40度前後の強い酒である。

その後、赤ちゃんは異常な眠気に襲われ、ぐったりとして動かなくなり、皮膚が黄色くなるなどの症状を示した。家族は慌てて病院へ搬送した。診断は重い急性肝障害であり、すでに肝不全寸前の状態であった。赤ちゃんは集中治療室に入り、懸命な治療の末、かろうじて一命を取りとめた。

医師によると、赤ちゃんの肝臓はまだ十分に発達しておらず、酒を分解する能力は大人の3分の1程度しかないという。そのため、ごくわずかな量でも体にとっては強い毒となり、神経や脳の発達を深刻に損なうおそれがある。場合によっては命を落とす可能性もあると医師は警告している。

中国では今も「酒は小さいうちから慣らすもの」という考え方が残っている。しかし、医師は「赤ちゃんにとって酒は毒そのものである」と強調している。

笑い話のつもりだった一口が、取り返しのつかない結果を招いた。この出来事は、軽い気持ちの振る舞いがいかに重大な結果をもたらすかを改めて示すものである。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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