スパイ防止法制定へ 高市首相推進 国民6割支持 中国共産党浸透の実態

2026/02/21 更新: 2026/02/21

高市早苗首相が推進するスパイ防止法制定へ、政府が今夏議論開始の方針。国民6割、企業8割超が支持する中、中国共産党の日本浸透実態が明らかに。スパイ防止法で国益を守れますか?

高市早苗首相は2025年10月の就任以来、スパイ防止法の制定を政権の重要課題として掲げてきた 。2月17日、政府がスパイ防止法の制定に向けた議論を今夏にも開始する方針であることが明らかになった 。年内にも有識者会議を設置し、外国代理人登録制度などを念頭に法案の具体化を進める 。自民党と日本維新の会の連立政権合意書では「スパイ防止法制について速やかに法案を策定し成立させる」と明記しており、与党として法制化への強い意思を示している 。

スパイ防止法 国民の6割が制定賛成 企業8割超が検討を求める

2025年7月に実施された埼玉県民1024人を対象とした調査では、全体の60.8%がスパイ防止法の制定に賛成し、反対はわずか10.1%にとどまった 。

2025年8月のロイター企業調査(資本金10億円以上の企業、241社回答)では、8割超の企業がスパイ防止法の制定を検討すべきと回答した 。内訳は「早急に検討すべき」と「慎重に検討すべき」がともに42%であった 。

現行の法制度が外国勢力によるスパイ活動から企業の機密情報・技術を十分に保護しているかについては、「あまりそう思わない」(40%)と「全くそう思わない」(21%)を合わせて6割が不十分と認識している 。一方で、「制定には反対」との回答はわずか1%にとどまった 。

中国共産党の浸透

アメリカ在住の民主派評論家・曹長青氏のSNS投稿によると、高市首相は3月19日に訪米し、トランプ大統領と会談する際、アメリカの情報・対スパイ機関に対し、日本の国会内にいる親中派や、中国共産党から金銭を受け取っているとされる議員の情報を日本側に提供するよう求めるのではないか。そうした「親中議員」への対処を進める意向があるとの見方も示されており、この動きは明らかに、アメリカが進めている「中国共産党代理人摘発」の流れに歩調を合わせたものとみなされている。もしこの情報が事実であれば、高市勝利で混乱している中国共産党にとって、さらなる打撃となるだろう。

日本国民がスパイ防止法の早期制定を支持しているという事実は、多くの日本人がすでに中共(中国共産党)による日本社会への浸透の深刻さと、それが国家安全保障を脅かしている現実を認識していることを示している。スパイ防止法の制定は、すなわち中国共産党に協力して日本に害を及ぼすスパイや、親中派の日本人に対する強力な抑止となるのである。

では、実際に中共による日本への浸透はどの程度深刻なのか。西側の開かれた社会を利用して、アメリカなどの国々に対する影響力を拡大してきた中共は、日本に対しても同様に、あらゆる分野で浸透工作を展開している。

数年前、アメリカ下院の監督委員会委員長であるケンタッキー州選出の共和党議員ジェームズ・コマー氏は、バイデン政権下の9つの機関に宛てて書簡を送り、米国内で中国共産党の不当な影響力と闘うために、どのような資源を投入しているのかを調査するよう求めた。

同氏は書簡の中で次のように述べている。
「中国共産党は一発の銃弾も撃っていないが、アメリカのあらゆる経済分野と地域社会を標的にし、影響を与え、浸透させる行動を通じて、すでにアメリカに対して戦争を仕掛けている。われわれは、中国共産党によるこの連携的な影響・浸透活動が、アメリカの軍事的備え、技術産業、金融市場、農業、教育制度、知的財産を脅かしていることを知っている。アメリカのすべての国民の生命と安全が危険にさらされているのだ」と訴えたのである。

では、日本において中共の浸透はどうか。日本の親中派政治家たちや、頻繁に北京を訪れる「日中友好団体」と称する組織、中共の立場から弁護する日本のメディアや個人メディア、さらに、日本国籍を取得して間もない中国人が地方議員や国会議員への立候補を積極的に行っている現状を見れば、その野心が決して小さなものではないことは明らかである。

民主派評論家の曹長青氏も最近、中共による日本への深刻な浸透について、次のような事例を紹介した。日本に滞在する台湾メディア関係者がYouTubeで明かしたところによると、衆院選挙の前に、ある人物から「もしあなたが高市早苗を批判する報道を出してくれれば、私たちは個人的にあなたに利益を与える」と持ちかけられたという。その台湾メディア関係者は申し出を断ったが、日本でメディアを運営している中国人のうち、いったいどれほどの人々がすでに買収されているのかと問いかけている。

実際のところ、日本国内にどれほど多くの中共スパイや親中的な人物が存在するのか。日本政府が本気で調査に乗り出せば、その実態を突き止めることは決して難しくないはずである。

ここで触れておきたいのは、中共系メディアである『環球時報』が2017年4月に掲載した関連報道である。同紙はまず、約60年の歴史を持つ日本の週刊誌『週刊大衆』の最新号が「日本国内には5万人の中国人スパイがいる」と報じたことを紹介し、その上でこの主張を「否定」した。『環球時報』は、「『週刊大衆』は話題性を売りにしており、販売部数を伸ばすために誇張した表現を用いた」と批判的に記していたのである。

それが本当に「誇張」なのかどうかについて、筆者として一次資料に乏しい現時点では断言できない。だが、中共の常套的な手口を考えれば、数十万人いる在日中国人の中に5万人のスパイが存在するという話は、少なくとも荒唐無稽とまでは言い切れない。『週刊大衆』の記事が指摘するように、スパイ防止法が未整備な日本は、先進国の中でもっともスパイ活動が容易な国となっており、その中でも中共スパイの数は群を抜いているという見方もある。

『週刊大衆』に情報を提供したのはフリージャーナリストの時任兼作氏であり、彼は『「対日工作」の内幕 情報担当官たちの告白』の著者としても知られている。時任氏は同誌に対し、次のように説明している。中共のスパイ網は、東京の中国大使館および札幌、新潟、名古屋、大阪、福岡、長崎の各総領事館を拠点とし、さらに中華街の幹部らが補助的な役割を担っている。彼らは中国から来た留学生、企業職員、学者、文化人、さらには飲食店の従業員やホステス、マッサージ師なども取り込み、巨大なスパイネットワークを形成して、情報収集などの諜報活動を行っているのだという。

自衛隊周辺のスパイ活動指摘

記事はさらに、数多くの中共女性スパイが日本の自衛隊基地周辺に潜伏していると指摘している。彼女たちは中共公安部が関与するカラオケ店で働いていたり、標的となる人物がよく利用するスーパーに勤務していたりする場合もあり、まず客として接触し、雨の日に偶然を装って出会い、「傘を借りる」といった口実で自衛隊員に近づくというのである。

自衛隊員との結婚も、諜報活動の一環とされる。週刊誌報道などによれば、かつて日本の陸上自衛隊では約500人の隊員、海上自衛隊では約200人、航空自衛隊では約100人の隊員の妻が外国人であり、そのうち約7割が中国人女性だとする指摘もある。

外交評論家の井野誠一氏は同誌に対し、「日本国内で華人団体を統括しているのは、中国人民解放軍参謀本部または情報局に属する『中国諜報活動センター』である」と述べた。井野氏によれば、日本国内には大規模な華人団体が6団体あり、その会員数はおよそ60万人に上るとの見方も紹介している。

さらに時任氏は、「日本には多数の中共スパイがいるだけでなく、そのネットワークを支えている日本人も存在する」と指摘し、その一例として、故・橋本龍太郎元首相が生前、ある中国人女性と親しい関係にあったことを挙げている。その女性はかつて中共駐日大使館に勤務し、夫は中国政府関係者であったという。また、中国スパイによる性的な工作で籠絡された日本の国会議員も少なくないと述べている。

これまで日本政府がこの問題を十分に深刻視してこなかった中で、親中派や中共スパイたちはかなり自由に活動し、時には日本の国益をも売り渡してきた。しかし今、国民の強い支持を背景に発足した新たな高市内閣がこの問題に本腰を入れ、将来的に「スパイ防止法」が成立すれば、これまで中共に協力してきた日本人や中国人たちは、果たしてどこへ向かうのだろうか。

周暁輝
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