中国 庇護勢力の失速か

中国・少林寺トップ起訴 なぜ今になって裁かれたのか

2026/03/23 更新: 2026/03/23

長年の疑惑は、なぜ見過ごされてきたのか。
そして、なぜ今になって裁かれたのか。

カンフーの発祥地として知られる中国河南省の少林寺の元トップ、釋永信(し・えいしん)が正式に起訴された。

河南省の検察当局は3月20日、少林寺の元住職・釋永信を正式に起訴した。寺の資産の私的流用や資金の持ち出し、贈収賄など、4つの罪名が挙げられている。長年指摘されてきた疑惑が、ついに表面化した形だ。

釋永信は16歳で少林寺に入り出家し、1999年に住職に就任した。その後、およそ26年にわたり寺を率いてきた。現在61歳。「仏教CEO」とも呼ばれ、寺の事業化やブランド展開を進めた人物として知られている。

一方で、政治との関係も指摘されてきた。2020年には中国の国会にあたる全国人民代表大会の代表を務めたほか、河南省や中国全体の仏教団体で要職を歴任している。このため、「政治和尚」とも呼ばれていた。

こうした経歴の裏で、不正や私生活をめぐる疑惑は以前から繰り返し浮上していた。複数の女性との関係や子どもの存在、寺の資産をめぐる問題などについて、内部関係者による実名告発もあったが、長年大きな問題にはならなかった。

しかし2025年7月、当局が突然調査を発表し、その後失脚に至った。今回の起訴内容は、過去に指摘されていた疑惑とほぼ重なる。

この経緯については「なぜ今になって動いたのか」に注目が集まっている。長年見過ごされてきたことを踏まえると、今回は不正そのものよりも、これまで釋永信を支えてきた後ろ盾が力を失い、ついに守りきれなくなった結果だと世論では受け止められている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
関連特集: 中国