中国 「合法的な強盗」と評される新ルール

「まだ渡していない賄賂」も没収の対象?  中国で新ルール

2026/04/20 更新: 2026/04/20

中国で、汚職や賄賂をめぐる新たなルールが波紋を広げている。

中国の最高裁にあたる最高人民法院と、検察トップにあたる最高人民検察院が4月10日に発表した司法解釈では、「まだ渡していない賄賂」も没収の対象になる可能性がある。この新ルールは2026年5月1日から施行、法律関係者の間で議論となっている。

当局は今回の解釈について、第三者を通じた賄賂の受け取りや仲介、公金の流用などの認定基準を見直したと説明している。また、これまで表に出にくかった不正についても、取り締まりを強化する狙いがあるとしている。

しかし、この新ルールについて、中国の弁護士、蔡雅琦氏は、自身のネット発信や講義の中で、「非常に多くの意味を含んでおり、読み込むと非常に恐ろしい内容だ」と指摘している。

今回新たに発表された司法解釈では、賄賂のやり取りを実際に行っていなくても、「渡す約束」があったと認定されれば、その金額を差し押さえることができるとされた。例えば、企業経営者や民間人が公務員に100万円を渡す約束をしていた場合、実際に支払っていなくても、その金額が没収されるという。

蔡氏はこの点について、「どうにでも判断できるから怖い」と指摘する。取り調べの中で「渡すつもりだった」と認めれば、それだけで金銭を失うケースも想定されるとしている。

さらに問題視しているのが、「返金した場合」の扱いだ。仮に賄賂を渡した後に返金したとしても、その事実が認定されれば、やはり渡した側から金銭を没収できるとしている。

このほか、民間側と公務員で処罰基準に差がある点も議論を呼んでいる。評論家の秦勉氏はメディアへの寄稿で、民間側は少額でも処罰の対象になる一方、公務員はより高い金額でなければ処罰対象にならず、結果としてその差は100倍にもなると指摘する。

さらに今回の制度について、「民間企業への取り立てがそのまま合法化された。まさに合法的な強盗で、あまりにもみっともない」と、秦勉氏は厳しく批判する。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
関連特集: 中国