米国防総省は21日、2027会計年度の国防予算の詳細を公表した。総額は1兆5千億ドル(約240兆円)に上り、第2次大戦後では異例の大幅な軍事費増加となる。
この予算案はトランプ大統領が提出したもの。ロイターによれば、比較として、昨年当初予算は8926億ドルだったが、その後増額されて初めて1兆ドルを超えた。今回はそれを直接1兆5千億ドルまで引き上げており、増加幅は明らかだ。
予算の構造面では、「大統領優先事項」という新たな区分が設けられ、ミサイル防衛システム「アイアンドーム(ゴールデン・ドーム)」、ドローン、人工知能、国防産業の4分野に重点が置かれている。
艦船建造については、650億ドル超が独立して計上され、軍艦18隻と支援艦16隻の計34隻を建造する。これは1962年以来最大規模の造艦計画とされ、ゼネラル・ダイナミクスとハンティントン・インガルス・インダストリーズが主に担当する。
空軍関連では、F-35戦闘機の調達数が年間85機に引き上げられた。航空機の調達・研究開発費は合計1020億ドルで、前年比26%増となる。ボーイングが進める次世代戦闘機やノースロップ・グラマンのB-21爆撃機も重点投資の対象に含まれている。
ドローン分野への投資も大規模で、総額は700億ドルを超え、米国史上最大のドローン・対ドローン投資とされる。内訳はドローンのプラットフォームと兵站に536億ドル、弾薬と対ドローンシステムに210億ドルとなっている。
「自律戦闘部隊(Autonomous Combat Teams)」と呼ばれるプログラムも大幅に増額され、従来の2億ドル超から約540億ドルへと一気に拡大した。緩やかな研究開発ではなく、既存技術を速やかに実戦に応用することに重点を置く。
装備面に加え、今回の予算は将兵の待遇にも踏み込んでいる。下士官・兵の給与を7%、下士官・准尉級を6%、上級将校を5%それぞれ引き上げる計画だ。また、2027会計年度には約4万4千人の兵力増強も見込まれている。
ただ一点、イランとの衝突に関連する費用はこの予算に直接含まれていない。国防総省は、必要が生じた場合は別途追加する可能性があると述べている。
全体として、この1兆5千億ドルは1兆1500億ドルの通常予算と3500億ドルの補正予算で構成される。今後は議会の審議手続きを経て、最終的に成立する見通しだ。
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