英労働党政権に逆風 保健相が辞任 

2026/05/15 更新: 2026/05/15

英労働党政権は、発足以来最大級の危機に直面している。ストリーティング保健相は14日、辞任を表明し、スターマー首相の指導力を信頼できないと述べた。さらに、グレーター・マンチェスターのバーナム市長も下院補欠選挙への出馬を表明し、将来的な党首選出馬を見据えた動きとの見方も出ている。一方、複数の閣僚はなお、スターマー首相への支持を公に表明している。

英国のストリーティング保健相は14日、辞任を発表した。これにより、スターマー氏への党内圧力は一段と強まった。ストリーティング氏は辞任前日、首相官邸ダウニング街10番地を訪れ、スターマー氏と短時間会談した。会談は20分足らずだった。

ストリーティング氏は辞任書簡で、スターマー氏の指導力を信頼できないと表明し、次期総選挙で労働党を率いることは難しいとの認識を示した。また、労働党に対し、次のリーダーを誰にするのか、党の進路をどうするのか、議論を始めるべきだと訴えた。

これに対し、スターマー氏は返信で、ストリーティング氏の辞任を残念に思うとしたうえで、政府は公約の実現に引き続き取り組むと強調した。

一方、グレーター・マンチェスターのバーナム市長は、下院補欠選挙に出馬し、下院復帰を目指すと表明した。労働党のシモンズ下院議員は14日、辞任を発表しており、バーナム氏が出馬しやすい状況を整えた形だ。バーナム氏が下院復帰を果たせば、労働党党首選に出馬できる立場となり、スターマー氏の有力な後継候補となる可能性がある。

ただ、複数の閣僚はなお、スターマー氏への支持を公に表明している。

フィリップソン教育相は、労働党が地方選で敗北したことで党内に不満が広がっていると認める一方、党内の混乱を収め、政権運営に集中するよう呼びかけた。

フィリップソン教育相
「私は、首相が引き続き職責を果たすことを支持している。首相は内閣の支持も得ている」

リーブス財務相は、経済が上向きつつある中、政治的混乱を招くべきではないと述べた。

リーブス財務相
「国を混乱に陥れる危険を冒すべきではない。とりわけ世界情勢が不安定な中、我々の経済成長計画が成果を示し始めている今、なおさらだ」

労働党の規則では、ストリーティング氏が正式に党首選に出馬するには、労働党下院議員81人の支持を得る必要がある。仮に同氏が短期間で必要な推薦人を確保すれば、スターマー氏の党首として、また首相としての立場は一段と厳しくなる。

 

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