撃ち落とさず無力化 ウクライナ新電子戦兵器「リマ」の実力

2026/05/27 更新: 2026/05/27

ウクライナは最近、防空ミサイルが不足する中、ロシアの無人機やミサイルに対抗するため、自国開発の電子戦システム「リマ」への依存を強めている。

このシステムは、ウクライナの防衛系スタートアップ企業「カスケード・システムズ」によって開発された。主な役割は目標を直接撃墜することではなく、飛来する兵器の衛星ナビゲーション信号を妨害・偽装し、軌道から逸脱させる点にある。

開発者の一人は、米ニュースサイトのポリティコに対し、たとえ衛星信号が遮断されてもロシアの長距離兵器は慣性航法によって飛行を継続できるが、精度は大幅に低下すると説明している。100キロメートルごとに約2キロメートルの誤差が生じる可能性があるとしている。

さらに「リマ」が作動すると、ミサイルの誤差は一層拡大する。ナビゲーション信号を妨害するだけでなく、偽装技術により座標を数キロメートル単位でずらし、ミサイルを目標から外れた地点へ誘導する。

また、多くのジャマー(電波妨害装置)が局所的な範囲に限られるのに対し、「リマ」は広範囲をカバーできるため、重要インフラの防衛にも活用されている。

カスケード・システムズは、これまでに400セット以上の「リマ」をウクライナ軍に供給したと発表している。ウクライナ軍は2024年7月に運用を開始し、昨年10月には民間インフラの防衛にも用途を拡大した。

同社によると、過去18カ月間で「リマ」は2万500機の無人機「シャヘド」を妨害し、数十発の弾道ミサイルおよび巡航ミサイルを目標から逸らしたとされている。

関連特集: 国際