NATOが「防衛産業革命」へ 欧州が防衛力強化へ巨額投資

2026/07/08 更新: 2026/07/08

トランプ米大統領は8日、トルコの首都アンカラに到着し、エルドアン大統領の出迎えを受けた。トランプ氏はアンカラで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席するためトルコを訪問した。首脳会議の開幕を前に、NATO加盟国は数百億ドル規模に上る武器取引を発表した。

アンカラで開かれた防衛産業フォーラムでは、NATO加盟国が総額数百億ドル規模の兵器取引を公表した。これらの発表は、同日夜に予定されるトランプ大統領との首脳会議を前に、欧州諸国が米国の要請に応じて欧州防衛への支出拡大を進めていることを示す狙いがある。

取引には、欧州各国が米防衛大手ノースロップ・グラマン製の偵察用無人機を購入する計画や、NATOがスウェーデンの防衛企業サーブから航空機を調達する契約が含まれる。

また、米防衛大手のロッキード・マーティンとドイツのラインメタルは、「陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)」の共同生産に向けた基本合意書を締結した。短距離弾道ミサイルであるATACMSが米国外で生産されるのは初めてとなる。

フォーラムでは、NATOのルッテ事務総長が一連の防衛強化策を発表し、その際、各軍需契約の総額が会場の大型スクリーンに映し出された。ルッテ氏はNATO全体で「大西洋をまたぐ防衛産業革命(transatlantic defence industrial revolution)」を進める必要があると訴え、「ロシアは巨額の軍事費を投じており、中国共産党、北朝鮮、イランも同様だ」と警鐘を鳴らした。

ルッテ氏は「もはや時間を無駄にする余裕はない。常に戦闘即応態勢を維持するため、必要な能力を今すぐ整えなければならない。安全保障環境がそれを求めている」と述べ、「工場の機械音は、より力強いうなり声へと変わらなければならない」と強調した。

この発言は、米欧の防衛産業に対し投資拡大と生産能力の強化を促すとともに、各国政府に長期契約を通じた安定した需要の確保を呼びかける狙いがあるとみられる。

さらにルッテ氏は、NATOがエアバス社の「A400M アトラス」で構成される戦略空輸部隊を発足させるほか、保有するエアバスA330多用途空中給油機に1機を追加すると発表した。

ルッテ氏は、「これは航空戦力に関わる問題であり、抑止力と防衛力の強化に不可欠だ」と述べた。

給油機を増強することで、米国が軍事支出削減を進めた場合にNATOの防衛計画で生じる空白を補う狙いがある。

米政府は削減計画の詳細を公表していないが、軍関係者はロイター通信に対し、削減対象には空中給油機のほか、戦闘機、無人機、艦艇など幅広い装備が含まれると明らかにした。

またルッテ氏は、NATO加盟国が今後5年間で400億ドルを超える資金を対無人機能力の整備に投資する方針も示した。

これら一連の取り組みは、トランプ氏が繰り返し求めてきた欧州の防衛負担拡大に応えるものだ。トランプ氏はこれまで、欧州諸国の防衛支出が不十分だとたびたび批判し、防衛費の増額を強く求めてきた。

張婷
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