中国各地で豪雨被害 62河川が警戒水位超え 広西でダム決壊

2026/07/08 更新: 2026/07/08

中国各地でこのところ、豪雨や突風による被害が相次いでいる。湖北省東部の複数地域では、豪雨や激しい雷雨、強風、竜巻が発生し、死者数が増えている。広西チワン族自治区南寧市では、豪雨によりダムの越水や決壊が起き、死者が増加した。また、降雨の影響で、各地で62の河川が警戒水位を超えた。

中国各地で62河川が警戒水位超え

中国共産党(中共)中央テレビなど中国メディアによると、降雨の影響で、6日から7日にかけて、広西チワン族自治区の桂江と支流の桃花江、広東省の北江支流・水辺河、湖南省の資水と支流の蓼水など、計62の河川が警戒水位を超えた。このうち、広西チワン族自治区の清水河では、観測史上最大の洪水が発生した。

また、太湖周辺の杭州、嘉興、湖州一帯の河川網では、4つの観測所で水位が警戒線を上回った。

湖北省で53の郷・鎮に被害 11人死亡、1人行方不明、331人負傷

6日から7日にかけて、湖北省の黄石、黄岡、鄂州、咸寧などは、豪雨や激しい雷雨、強風に見舞われた。53の郷・鎮で雷雨を伴う強風が観測され、このうち2つの郷・鎮では最大で風力13級に達した。一部地域では竜巻も発生した。

7日正午までに、被災者は1万4600人に上り、11人が死亡、1人が行方不明、331人が負傷した。996人が緊急避難し、246人が避難先に移った。住宅22棟が倒壊し、4855棟が損壊した。

報道によると、今回の激しい荒天は突然発生し、短時間で非常に強い風を伴った。災害発生後、中共湖北省委員会と湖北省政府は、省内の関係地域に対し、防災対応をさらに徹底し、二次災害の発生を防ぐよう求めた。

中共の国家基準では、風力は18段階に分けられている。11級、12級の風は陸上では比較的まれで、12級を超えると、陸上に甚大な被害をもたらす強さとされる。

広西で複数のダムが決壊 村民が孤立、飲料水や食料も不足

南寧市は7月7日午前、同日午前11時までに、横州市で死者が4人、行方不明者が8人に増えたと発表した。横州市の被災者は約8万4700人で、5万3808人が避難・移転した。賓陽県では8606人が被災し、8千人以上が避難した。

南寧市は7月6日昼、横州市の六藍ダムで同日午前、重大な危険状態が発生し、堤体の一部が決壊したと発表した。さらに、広西チワン族自治区の雲表ダムでも水が堤を越え、一部が決壊した。賓陽県の六旺ダムでも、水が堤を越える事態が起きた。

7月7日、横州市鎮竜郷の村民、李文さん(仮名)は大紀元に対し、「橋が流され、家屋が倒壊し、停電、断水、通信の途絶が起きている。村に取り残された住民は外へ出られず、外部からも入れない。村は事実上、孤立状態になっており、住民はみな山の上に避難している」と語った。

李さんによると、鳳丹村では約380人が取り残されている。現地では土砂崩れが起き、村民の住宅も倒壊したという。

「今は飲料水、食料、雨具が不足している。高齢者や子どもたちは山の上に避難しており、衣類や食料もない。連絡も取れない状態だ。丸一日が過ぎ、今日の午後になってようやく救助隊が来た。私の家族は無事だった」と李さんは話した。

雲表ダムが2度決壊 1千人超が避難 行方不明者は二桁か

7月4日以降、広西チワン族自治区では連日、猛烈な豪雨に見舞われている。南寧市横州市雲表鎮の雲表ダムでは2度にわたって決壊が起き、下流の複数の村で深刻な洪水被害が発生した。1千人以上の村民が山の上へ避難したが、一部の村民はなお取り残されている。

雲表ダムに決壊口が生じた後、下流にある亜陂村は、最初に大きな被害を受けた地域の一つだった。村民が撮影した映像には、村一帯が濁った黄褐色の洪水にのみ込まれ、激しい流れが押し寄せる様子が映っている。

画面の手前では、赤瓦の門楼が屋根だけを残して水に浸かり、周囲の塀は押し流されていた。複数の住宅では1階部分が完全に水没し、白い乗用車が洪水で住宅の屋根付近まで流されていた。水面には大量のがれきやごみが漂い、村は広い範囲で冠水していた。

台風がもたらした極端な豪雨の影響で、7月6日、南寧市横州市の六藍ダムでは越水と決壊が発生した。堤体には幅約50メートルの大きな決壊口ができ、濁流が一気に流れ出した。下流の複数の村は、瞬く間に水にのみ込まれた。

亜陂村の村民、柳林さん(仮名)は7月7日、大紀元に対し、「山へ逃げた村人は1千人以上いる。みな傘を差して山の上に立ったり、しゃがみ込んだりしていた。一晩たっても行方不明者数は確認されておらず、二桁に上る可能性がある。昨日午前11時ごろにダムが決壊した。みな自力で建物の上に逃げたが、間に合わなかった人もいた。倒壊した住宅に取り残された人もいた。午後になって水が引き、歩けるようになってから、みな少しずつ山へ登った。最も深いところでは2階まで水に浸かった」と語った。

柳さんは「今日の午後になって、村の水はようやく引いた」と話す。

「今朝、一部の村民は先に家へ戻った。3階建ての近隣住宅などに身を寄せることもできるし、高台にある2階建て住宅にも避難できる。今も行方不明者数は把握できていない。救援物資はドローンで運ばれてきた。昨日の夜、村民は山へ逃げ、今日下山した。物資が届いたのは午後になってからだった」

柳さんはさらに、「2つのダムが相次いで決壊した。水の流れが速すぎた。六藍ダムは私たちの村への影響は大きくなかった。主な原因は村に近い雲表ダムだ。あそこが決壊し、水が村に流れ込んだ。川沿いの住民ほど行方不明者が多い。川沿いには多くの家があるが、行方不明者の数はまだ集計できていない」と述べた。

「被害の規模はまだ見通せない。橋は流され、町から村へ入る道にはまだ数メートルの深さの水が残っている。今は物資が入ってくるだけでもありがたい状況だ。水、パン、インスタント麺はあるが、村では停電と断水が続いている。私の家は1階が浸水した。少し高い場所にあったのだ」

南寧で働いており、実家が雲表鎮亜陂村にある別の村民も大紀元に対し、「私は南寧で働いていて、帰ることができない。実家の家族はみな山の上に取り残されている。家にいたのは高齢者や子どもが大半で、雨に濡れ、寒さに耐えている。雨は降り続いている」と語った。

「事前の避難はなかった。ここまで深刻になるとは思っていなかった。百年に一度の災害だ。水の流れは非常に速く、ほとんどの人はスマートフォンだけを持って山へ逃げた。食べ物もなく、何もない。とても無力だ。被害状況の写真や投稿は審査にかかり、なかなか発信できない。私も今は戻れない。多くの道路が封鎖されている」

中国メディア「界面新聞」も、6日午前9時ごろから村民が相次いで裏山へ避難したと報じた。避難が間に合わず自宅に取り残された村民の一人は、水位が急上昇した際、自宅3階に閉じ込められ、避難できなかったと話している。

この村民によると、雲表ダムでは2度にわたり決壊が起きた。最初の決壊は6日午前10時30分ごろで、2度目の洪水はさらに勢いが強く、自宅前の門や塀はすべて押し流された。沿道の複数の住宅も、洪水によって丸ごと押し流されたという。

「新京報」によると、雲表農貿市場の近くでは、一家3人が洪水に10時間閉じ込められた後、ようやく救出された。発見された際、3人は住宅内で洪水に取り残されており、呼吸を確保できる隙間は幅10センチにも満たなかった。女性住民の一人は、潜水して脱出しようとしたが、「途中で無理だと分かった」と話した。

さらに、広西チワン族自治区では洪水により現地のヘビ養殖場が壊され、コブラなど毒性のあるヘビを含む大量の養殖ヘビが逃げ出した。住民の中にはヘビにかまれた人も少なくない。しかし、交通が寸断され、物資も不足しているため、かまれた人たちは速やかな治療を受けられず、応急処置を自分たちで行うしかない状況だ。

方暁
顧暁華
関連特集: 中国