中国・成都の公立病院 全職員の信仰を調査か 学生家族にも対象拡大

2026/08/13 更新: 2026/08/13

中国・四川省成都市の公立病院が最近、全職員を対象に信仰の有無を調べる調査を行った。正規職員、契約職員、臨時職員を含む全員に申告を求め、信仰がない場合も「なし」と記入させている。

取材によると、成都の教育機関でも、学生やその家族の信仰、家庭背景について調査が行われている。対象は学生の両親にも及んでいるという。

成都の公立病院、全職員に信仰の有無を申告させる通知か

中国のSNS上ではこのほど、成都にある二級甲等の公立病院が出したとされる内部通知が広がった。

通知では、イデオロギー、民族、宗教に関する業務について継続的に点検・調査を行うため、全職員を対象に信仰に関する情報を集めるとしている。調査は全員を対象に、漏れなく行うよう求めている。

職員は事実に基づいて申告し、隠したり、記載を漏らしたりしてはならないとしている。書類は担当者が秘密として扱い、「内部の統一戦線業務台帳の作成にのみ使用する」とされている。

また、共産党員についてはいかなる宗教の信仰も認めないとし、該当する場合は党支部に届け出るよう求めている。信仰がない場合も「なし」と報告させる、いわゆる「ゼロ報告」制度も導入されている。

病院は、職場内での布教活動や宗教活動を禁止している。通知には、情報をインターネット上で公開・拡散することも厳禁すると明記されている。

学生の家族も対象に 教育機関で続く宗教・家庭背景の調査

四川省のある大学で行政職を務める陳さん(仮名)は取材に対し、大学でも学生の家族に信仰があるかを調べていると語った。

「現在、信仰の有無を調査している。学生の両親がキリスト教、カトリック、イスラム教などを信仰しているかを確認し、学校は集計結果を上級機関に報告しなければならない」

陳さんは、調査結果が最終的に何に使われるのかは分からないとした一方、学校には集計結果の提出が求められていると説明した。

成都の教育部門で働く廖暁麗さん(仮名)も、教育機関では毎年、新入生の受け入れ前に家庭背景を調べており、信仰の有無も調査項目の一つだと明かした。

「キリスト教、カトリック、イスラム教などである。回族は比較的問題視されないが、登録は必要である。病院での調査は医療部門の所管であり、私たちとは関係がない」

こうした説明からは、学生本人や家族の信仰、家庭背景に関する調査が、一時的な対応ではなく、毎年行われていることがうかがえる。

廖さんによると、共産党の宗教行政部門と大学は不定期に連携しているという。

「党組織の副書記の一人が宗教行政部門との窓口を担当し、学生の思想動向、特に宗教に関する状況を把握している」

専門家が指摘する信仰への統制拡大と各地への波及

病院の通知にある「統一戦線業務台帳」や「イデオロギー」「民族・宗教に関する業務の継続的な調査」といった表現は、中国共産党が信仰に対する統制を広く進めていることを示している。

中国共産党は近年、各級の党委員会に対し、宗教関連業務への指導を強化するよう求め、「宗教の中国化」とする政策を進めてきた。

2025年には、習近平が各級の党委員会に宗教業務の強化を改めて求め、宗教関連の行政を党の指導体制に組み込む方針を示したとされる。また、「宗教事務条例」では、各級政府に宗教行政の体制を整えるよう求めている。

海外在住の研究者、魯氏は、成都の公立病院が職員の信仰を調べていることについて、当局が国民の信仰を徹底して管理し、抑え込もうとしている表れだと指摘した。

「このような動きは成都だけではない。山東省や浙江省では、公務員がキリスト教を信仰することを禁じられ、発覚すれば退職を求められるという話を聞いている。数年前には、浙江省温州市でキリスト教を信仰していた公務員が解雇された。家庭での集会に参加すれば、国家保衛当局から日常的に嫌がらせを受ける」

周玉