FRB元上級顧問に禁錮38か月 中共への機密情報提供で虚偽供述

2026/07/17 更新: 2026/07/17

米連邦地方裁判所のダブニー・フリードリッヒ判事は7月15日、FRBのジョン・ハロルド・ロジャース元上級顧問に対し、禁錮38か月と、その後12か月の監督付き釈放を言い渡した。ロジャースは、中国共産党(中共)の情報関係者に機密情報を提供した問題で、連邦捜査官に虚偽の供述をした罪に問われていた。

捜査官への虚偽供述で有罪

米司法省が同日発表した声明によると、64歳のロジャースは2月3日、陪審裁判で有罪評決を受けた。ロジャースは、金融政策に関する情報を外部に渡していないとうそをついていた。

この事件を担当したジーニン・ピロ連邦検察官は、司法省の声明で、ロジャースが長年にわたり、FRBの機微情報を中共のスパイに密かに流し、その後、捜査官に虚偽の説明をしたと指摘した。さらに、法廷での宣誓証言でも偽証したという。

ピロは、アメリカの重要な経済機密を扱うFRB職員が、私利のために国家や同僚を裏切ることは決して許されないと強調した。

北京に機密情報を長年提供

裁判資料によると、ロジャースはバージニア州ビエナ在住のアメリカ市民で、経済学の博士号を取得している。2010年から2021年までFRBの国際金融部門で上級顧問を務め、金融政策や連邦公開市場委員会(FOMC)に関する機密情報に長年アクセスできる立場にあった。

検察によると、ロジャースは2017年以降、中共の情報関係者であるハミン・リーと秘密裏に関係を築いた。両者は中国で開かれた会議で知り合ったという。

その後、ロジャースは大学での講義を名目に何度も中国を訪れ、ホテルの一室でリーやその関係者と面会した。ロジャースは相手側から指示を受け、FRB関連の情報を提供していた。

ロジャースは印刷した機密文書を中国に持ち出したほか、機密指定の表示を削除し、個人メールに転送していた。また、ハミン・リーと面会する前には、機微資料を中国・復旦大学の教授に送っていた。

検察は、ロジャースが、ハミン・リーがこれらの資料を使って中共政府向けの報告書を作成することを認識していたと指摘した。また、中共がFRBの金利決定を事前に把握すれば、取引規模が約1兆5千億ドルに上る米国債取引で巨額の利益につながることも認識していたという。

見返りとして、ロジャースは多額の経済的利益を得た。さらに、ハミン・リーや中国の大学の支援を受け、大学での教職などの機会や便宜も得ていた。ロジャースは捜査官に対し、自分は「ハミン・リーにすべてを負っている」と話したこともあった。

質問に「一度もない」と否定

2020年2月、ロジャースはFRB監察官室の調査官から、取り扱いが制限された情報を外部の人物と共有したことがあるかと直接問われ、「一度もない」と答えた。

この事件は、FBIワシントン支局とFRB監察官室が共同で捜査した。起訴は米司法省国家安全保障部門の複数の検察官が担当し、審理はコロンビア特別区の連邦地方裁判所で行われた。

FRB制度と消費者金融保護局を管轄するマイケル・ホロウィッツ監察官は、今回の判決について、連邦捜査を欺いたり妨害したりする者は、いかなる人物であっても法的責任を問われるという明確なメッセージを発したと述べた。

FBIワシントン支局の防諜・サイバー部門責任者ダニエル・ヴィエルズビッキ氏も、FBIとFRB監察官室は今後も、敵対国政府に機密情報を提供し、アメリカの国家安全保障を脅かす人物の責任を追及していくと述べた。

高杉
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