中国の財政収入は表面上は回復傾向を示しているものの、地方政府の財政を支えてきた土地財政は引き続き縮小している。今年上半期、国有土地使用権の譲渡収入は前年同期比31.5%減と大幅に落ち込み、契税および土地増値税も減少した。これに対し、同期間の証券取引印紙税は前年同期比97.3%増とほぼ倍増したが、その増収は土地収入の減少を補うには至っていない。
中国財政部が7月22日に発表したデータによれば、上半期の全国一般公共予算収入は12兆1000億元(約254兆円)で、前年同期比4.7%増となり、前5か月の4%増を上回った。税収は9兆7900億元(約206兆円)で5.3%増、中央の一般公共予算収入は7.5%増となった一方、地方の収入は2.7%増にとどまった。
証券取引印紙税は上半期に1549億元(約3.3兆円)に達し、前年同期比97.3%増となった。前年同期の約785億元から約764億元(約1.6兆円)の増加である。一方、地方政府の国有土地使用権譲渡収入は9778億元(約20.5兆円)にとどまり、前年同期の約1兆4300億元から約4496億元(約9.4兆円)減少したと試算される。土地収入の減少額は印紙税の増加額の約6倍に上り、印紙税の増収をすべて充当しても、減少分の一部しか補えない状況である。
地方財政を直撃する不動産不況
個人所得税は13.1%増、企業所得税は3.9%増となった。一方、国内消費税は3.4%減、契税は14.7%減、土地増値税は15.3%減となり、不動産および土地取引に関連する税収は引き続き減少している。
天津の財政学者・王学礼(仮名)は大紀元の取材に対し、「公表されている財政収入の増加は実態を十分に反映していない」と指摘した。「業界内のデータでは、前5か月の財政収入の伸びは約2%にとどまるとされるが、公式発表では4.7%となっている。証券取引印紙税の増加は株式取引の活発化によるものだが、市場が低迷し取引量が減少すれば、この収入も縮小する。現在の税収環境は弱含みである」と述べた。
王氏はまた、「他の税収で土地収入を代替することは困難である。今回、国有土地使用権譲渡収入は前年同期比31.5%減とされたが、実際の落ち込みはそれ以上との見方もある。中国人民大学の関係者は、50%から65%程度の減少と推計している」と述べた。
土地財政の落ち込みはさらに拡大している。上半期の全国政府性基金予算収入は前年同期比21.6%減となり、地方政府の国有土地使用権譲渡収入は9778億元にとどまり、前5か月よりも下落幅が2.8ポイント拡大した。
土地収入の減少は、契税や土地増値税、不動産関連税収にも波及している。地方政府はこれまで土地売却収入をインフラ整備、債務返済、公共サービス維持の財源としてきたが、不動産市場の低迷が続く中、この財政構造の維持は困難になりつつある。
中国の不動産市場は2021年以降、下落局面に入っている。中国政府は長年にわたり中央と地方の財政関係の調整や地方税源の拡充を掲げてきたが、地方の財政は依然として土地収入、特別債(専項債)、中央からの移転支出に大きく依存している。財政改革をめぐる議論は、中央と地方の収入配分の不均衡や地方債務の拡大といった問題に及んでいる。
北京の財政専門家・劉瓊(仮名)は、「土地が売れなくなったことで、各地の当局は新たな収入源の確保に動いている」と述べた。「現在、地方財政は深刻な資金不足に直面しており、中規模以上のインフラ事業はほぼ停止している。小規模事業も来年以降に先送りされる見通しだが、実施される保証はない。資金調達から工事代金の支払いまで滞りが生じている。各地から報告される統計の信頼性も低下しており、当局はこれを事実上黙認している。経済状況は極めて厳しい」と指摘した。
中央と地方の財政格差が拡大
財政資源の中央集中も進んでいる。財政部のデータによれば、上半期の中央一般公共予算収入は7.5%増であったのに対し、地方本級収入は2.7%増にとどまった。中央本級支出は6.5%増となった一方、地方の一般公共予算支出は0.6%増にとどまっている。
全国の一般公共予算支出は14兆3300億元(約301兆円)で、前年同期比1.5%増となった。このうち社会保障・雇用支出は7.6%増、医療・衛生支出は10.8%増となった一方、教育支出は0.6%増、科学技術支出は1.3%増、環境保護支出は10.3%減、農林水支出は8.6%減となった。
財政部はまた、上半期に新規の地方政府特別債の発行額が2兆700億元(約43.5兆円)に達し、発行進捗は47%であると発表した。今後は資金配分と使用の加速を図り、特別債の「借入・使用・管理・償還」に関する管理を強化するとしている。
これについて経済学者の梅氏は、「中央の収入と支出の伸びがいずれも地方を上回っており、地方から中央に集められた財政資源が十分に還元されていないことを示している。地方財政は極めて厳しい状況にある」と指摘した。その上で、「教育、医療、社会保障、治安維持などの支出が増加する中、民間企業への課税強化や罰金、各種名目による行政手数料の増加が進めば、官民の対立がさらに強まる可能性がある」と述べた。
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