中国 香港事件の余波が中国本土へ

「私は書店員」が敏感ワードに? Tシャツ購入で警察が家に来た=中国

2026/08/06 更新: 2026/08/06

香港で書店員5人が国家安全条例違反容疑で逮捕された事件をきっかけに、「私は書店員(我是書店店員)」という何気ない言葉が中国で敏感なフレーズになっている。

発端は7月15日に香港で起きた独立系書店への摘発だった。香港警察の国家安全部門は、「扇動的な書籍」を販売したとして、「留下書舍」と「田園書屋」の経営者ら男女5人を国家安全条例違反容疑で逮捕した。両書店は、香港政府や中国政府に批判的な書籍を扱う数少ない独立系書店である。

その際、手錠をかけられた女性店員が「私は書店員」と書かれた黒いTシャツ姿で、落ち着いた表情のまま前を向いて歩く姿が注目を集めた。この6文字はネット上で急速に拡散し、書店員逮捕への連帯を象徴する言葉として広く知られるようになった。

その後、中国本土の市民が通販サイトで同じデザインのTシャツを購入したところ、商品が届いた直後に警察官3人が自宅を訪問。「なぜ買ったのか」「何に使うのか」と事情を聴かれたうえ、Tシャツは没収され、購入履歴まで確認された。

この市民はSNSで、「家で着るためにたった1枚買っただけなのに警察が来た。100枚注文したら戦車で逮捕しに来るのか」と皮肉を投稿。この書き込みは1日足らずで約12万回閲覧され、当局の過剰な対応を疑問視する声が相次いでいる。

「私は書店員」。本来は、ただ職業を名乗るだけの言葉である。しかし今では、その6文字が警察を動かすほどの意味を持つ言葉になってしまった。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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