中国 火葬めぐる官民対立

中国、当局の強制火葬に住民2万人が抵抗

2026/09/16 更新: 2026/09/16

中国では、当局による強制火葬をめぐり、住民との対立が続いている。

当局が遺体を取り上げたり、埋葬後に墓を掘り返したりする事態が起きてきたため、住民は大勢で土葬を見守り、その後も墓を守っている。

土葬の伝統が根強い地域でこうした抵抗が続くなか、雲南省で再び大規模な住民集結が起きた。

9月14日夜、雲南省昭通市鎮雄県で、高齢者2人を土葬するため大勢の住民が集結した。参加者は約2万人。県内14の地域が団結し、隣接する貴州省からも数百人が応援に駆けつけたという。現地住民が本紙記者に明かした。

現場では数百人の警察官が住民らと対峙したが、大勢の住民を前に強制排除には動かなかったという。

住民らは93歳の高齢者の棺を山へ送り届けた後、別の場所へ移動し、もう一人の高齢者の土葬も見守った。

しかし、土葬が終わっても安心はできない。当局に墓を掘り返されないよう、200~300人ほどがそのまま残り、一晩中墓を守った。

その2日前にも、同じ鎮雄県で大規模な抵抗が起きている。

白血病で亡くなった16歳の少年を土葬する前日、地元政府が約200人を動員して遺体を取り上げに来るとの情報を受け、周辺から住民が集まった。翌日には数千人規模となり、少年は予定通り土葬された。住民らはその後も、当局に墓を掘り返されないよう、昼夜交代で墓を守っている。

 

強制火葬に高まる反発

中国では古くから「死者は土に葬って安らかに眠らせる」という考えがあり、土葬の伝統が根強い地域では今もその習慣が続いている。

一方、鎮雄県では2020年ごろから火葬が強く進められてきた。当局が遺体を取り上げるためのチームを動かすほか、土葬から1~2か月たった墓まで掘り返し、強制的に火葬する事態も起きている。

こうした当局のやり方に住民の怒りが高まり、今では地域ぐるみで土葬を見守り、埋葬後も墓を守るようになった。

 

当局が派遣した「遺体強奪チーム」。2024年8月、中国・貴州省安順市平壩区楽平鎮の岩上村(SNSより)

 

2025年11月にも鎮雄県で、強制火葬に反対する千人以上の住民が当局側と対峙した。同じ時期には貴州省でも、強制火葬や墓の掘り返しをめぐり大規模な抵抗が起きている。

事情は地域によって異なるが、土葬の伝統が根強い地域では、先祖代々の方法で家族を弔いたい住民と、火葬を進める当局との対立が繰り返されている。

村民総出で土葬を見守り、隣の省からも応援が駆けつける。埋葬後も住民はその場に残り、夜通し墓を守る。「自分たちの手で死者を守る」という住民の意志と団結が強まる一方、財政難のなか、火葬を強制し、公営墓地の利用を進めたい当局。双方の対立は、ますます深まっている。

 

村の土葬儀式を見守り、「護送」する約千人の村民たち、中国貴州省畢節市金沙県、2024年9月。(SNSより)
李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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