中国 抗議しても解決しない現実

給料出ず、預金戻らず 中国で抗議相次ぐ

2026/08/06 更新: 2026/08/06

中国では今、働いても給料が支払われない。銀行に預けた預金を何年も引き出せない。行政に訴えても相手にされず、警察によって強制排除される。こうした出来事は、もはや珍しいニュースではなくなっている。

本来なら大きく報じられるはずの抗議活動も、中国国内では厳しいネット検閲によって動画や投稿が次々と削除される。そのため、海外へ伝わるのは、消される前に拡散された映像や投稿のごく一部にすぎない。今回紹介するのも、そうした「氷山の一角」である。

貴州省では、中国の国有電力会社「南方電網」の威寧営業所で作業員への給与が滞納。7月26日、約100人の作業員が貴州支社を訪れ、賃金の支払いを求めて本社前で座り込みを続けたが、解決には至らなかった。

河南省では、地方銀行の預金が5年間凍結されたままの被害者28人が、北京への陳情に必要な書類の発行を求めて浙江省の陳情窓口を訪れたものの、対応を拒否された。

同じ河南省では、立ち退き問題で長年陳情を続けてきた女性が、警察署長による恐喝を公安当局へ告発した直後、署長側から暴行を受け、地元へ連れ戻された。

黒竜江省佳木斯市では、郵政局が職員の住宅積立金を納付していなかったとして職員らが抗議活動を実施。抗議の最中には体調を崩して倒れ、運び出される人もいた。

中国では経済の停滞が長引く一方で、生活を守るために声を上げる人々は増えている。しかし、その声が正面から受け止められることは少ない。

未払い賃金、凍結された預金、立ち退き、行政への陳情。人々が直面する問題は違っても、「訴えても解決しない」という現実は共通している。そして、その現実を伝える情報さえ、検閲によって次々と消されている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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