中国工商銀行 ロシア制裁回避やマネロン ICIJが実態を調査

2026/09/16 更新: 2026/09/16

国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は14日、調査報告書を公表し、中国工商銀行(ICBC)のロンドン支店が長年、ロシアやベラルーシの企業に加え、汚職スキャンダルに関与した各国の独裁者や高官に金融サービスを提供していた実態を明らかにした。

今回の調査には23のメディアが参加し、中国工商銀行が2005年から2024年までに扱った480万件の流出文書を調査した。

中でも焦点となったのがロシアである。ウクライナ侵攻後、多くの外国銀行がロシアでの事業を縮小する中、中国工商銀行は逆に対ロシア事業を拡大した数少ない外国銀行の一つであった。

文書によると、中国工商銀行はロシアの鉱業大手ノリリスク・ニッケルへの融資を継続していた。同社は、米欧の制裁対象となっているプーチン政権に近いとされるオレグ・デリパスカ氏と関係があり、同社が採掘する鉱物は、中国の電気自動車やバッテリーの生産に必要な原材料でもある。

さらに注目されるのは、米国と英国によるロシア産金属の禁輸を回避するため、工商銀行のロンドン支店の幹部らが回避する方法を協議していたとされる点である。

具体的には、ロシア産の鉱物を中国に運んで加工し、「中国製」のラベルを付けることで、制裁を回避するという案であった。

同様の状況はベラルーシでも確認されている。中国の建設機械大手「中連重科」と提携する現地企業、ミンスク自動車工場(MAZ)は米欧の制裁対象となっているほか、ロシア軍に軍民両用の大型機械を供給していると指摘されている。

こうした状況でも、工商銀行のロンドン支店は同社への資金決済サービスの提供を続けていた。

調査ではさらに、アフリカなどで工商銀行が関与する一部の事業について、汚職やマネーロンダリングのリスクが浮上した。その中には、80万ドルを超える不審な資金の取引もあり、後にマレーシアの政府系ファンド「1MDB」をめぐるマネーロンダリング事件との関連が判明した。

国際調査報道ジャーナリスト連合は、中国工商銀行が中共政権の国有銀行として、北京の経済的利益に沿って活動していると指摘している。

英国などの規制当局が、同行のマネロン対策の不備をめぐって繰り返し罰金を科したり、警告を発したりしているものの、北京の本店は海外支店に対し、本店と方針を統一して対応するよう求め続けている。

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