政府 消費税・支援金法案を閣議決定 片山財務相「財源確保へ基金など徹底見直し」

2026/10/11 更新: 2026/10/11

政府は10月9日、飲食料品の消費税率の時限的な引き下げと中・低所得者向け支援金の支給を組み合わせた「消費税・支援金法案」を閣議決定した。

片山さつき財務相は同日の閣議後記者会見で、2027年4月から2年間の減税措置と支援金の先行導入について説明するとともに、赤字国債に依存しない財源確保に向け、租税特別措置や補助金、基金の見直しを徹底する方針を示した。

片山財務相は10日の静岡朝日テレビの単独取材では、財源を巡って、高市早苗首相が7月に言及した約9兆円の税外収入にも触れ、特別会計や基金の見直しを通じて財源を確保する考えを改めて示した。

2027年4月から2年間の減税と支援金を先行導入

今回閣議決定された法案「租税及び社会保険料による負担の軽減のための飲食料品にかかる消費税率の臨時的な引き下げ及び就業者負担軽減支援金の支給に関する法律案」ででは、2027年4月1日から2年間、飲食料品にかかる消費税率を1%に引き下げ、中・低所得者を対象とした「就業者負担軽減支援金」を消費税1%相当分の範囲内で先行導入する。

法案では、2027年4月1日から2年間、飲食料品にかかる消費税率を1%に引き下げ、中・低所得者を対象とした「就業者負担軽減支援金」を消費税1%相当分の範囲内で先行導入する

2029年4月からは支援金制度を本格導入し、飲食料品の消費税率を従来の8%に戻す計画である。今回の時限的な減税と支援金の組み合わせは、本格的な制度導入までの移行措置と位置づけられている。

政府は、過去の一律給付に対する批判を踏まえ、所得に応じた公平できめ細かな支援を目指している。ただし、所得情報を活用した制度の構築には時間が必要となるため、当面は減税と支援金を組み合わせることで、迅速な負担軽減を図る方針である。

制度の実施に向けた省庁間の調整も進める。政府は局長級の「関係府省庁連絡会議」を設置し、9日午後に初会合を開催した。今後、制度の円滑な実施や国民への周知に向けて関係省庁が連携する。

「日本版DOGE」を強化 約7兆円の基金残高を精査

減税と支援金の実施に伴う財源確保も重要な課題となる。

片山財務相は9日の会見で、特例公債、いわゆる赤字国債に頼らず財源を確保する方針を強調した。

政府は同日、歳出の無駄を削減する「日本版DOGE」の取り組みを強化するため、関係閣僚等及び副大臣会議の名称を「租税特別措置・補助金・基金の徹底見直しに関する関係閣僚等及び副大臣会議」に変更した。

従来の租税特別措置や補助金に加え、基金も重点的な見直しの対象とする。

政府は2027年度末に約7兆円と見込まれる基金残高に着目しており、各事業の必要性や資金の利用状況を精査し、事業の性質に応じて国庫返納を進めるほか、将来の支出を国が約束する「国庫債務負担行為」への切り替えを検討する。

また基金に資金を留保し続ける方式から、実際の事業の進捗に応じて予算を執行する方式への転換を図り、財政資金の効率的な活用につなげる考えを示した。

また、租税特別措置についても政府税制調査会を活用し、政策効果の低い措置は廃止を含めてゼロベースで検証する方針を示した。

静岡朝日テレビの報道によると、財源に関しては、高市首相が7月に言及した「9兆円程度の税外収入」を取り上げ、特別会計や基金を対象とする歳入確保策をゼロベースで進める姿勢を強調しており、政府が9日に打ち出した基金の国庫返納や租税特別措置の見直しに加え、特別会計なども含めた財源の精査を進める方針だ。

また、最終的には所得税の減税と現金給付を組み合わせる「給付付き税額控除」の制度構築を見据えていることも明らかにした。

政府が今回打ち出した時限的な消費税減税と支援金制度は、将来的な給付付き税額控除への移行を念頭に置いた措置となる。

財源確保と制度設計の具体化が焦点

政府が進める消費税率の時限的な引き下げと支援金の先行導入は、2029年度からの本格的な制度導入に向けた段階的な取り組みである。

その実現には、所得情報を活用した給付制度の整備とともに、減税による税収減や支援金の支給に必要な財源を確保することが求められる。

片山財務相は、赤字国債に頼らない財源確保を掲げ、約7兆円の基金残高や租税特別措置の徹底的な見直しに取り組む方針を示している。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます
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