中国の名門博物館に寄贈された貴重な美術品がオークションに出品されるなど、多数の文化財をめぐる流出疑惑が浮上した。元館長は有罪となったが、裁判の詳細はなぜか非公開。文化財の行方も事件の全容も分からない。
そんな中、事件の真相を知るはずの元館長が、獄中で死亡したと報じられた。 判決からわずか約1か月というタイミングに、中国のネット上では「口封じではないか」と疑う声が広がっている。
10月14日、南京博物院の元院長、徐湖平(じょ・こへい)氏(81)が獄中で死亡したと報じられた。香港誌「亜洲週刊」によると、徐氏は12日、南京市内の刑務所病院で死亡したという。末期の肺がんを患っていたとされる。ただし、中国当局からは死亡について正式な発表は出ていない。
事件の発端は2025年。南京博物院に寄贈された明代の名画『江南春』が、北京のオークションに出品されていたことが発覚した。評価額は8800万元(約20億)。寄贈者の娘が当局に通報し、競売は中止された
その後、博物館の元職員が徐氏による文化財の盗難や密売を実名で告発。徐氏は今年9月、収賄罪で懲役3年の判決を受けたと発表された。
しかし、どこの裁判所が、いつ裁いたのか。判決文すら公開されていない。 流出した文化財が回収されたのか、ほかに誰が関与したのかも明らかになっていない。
さらに、事件を追及していた香港誌「亜洲週刊」も、昨年12月に中国のSNSで発信を制限されたと報じられている。
そして判決の発表からわずか約1か月。事件の核心を知るはずの元館長が、獄中で死亡したと報じられた。
ネット上では「死者に口なし」「これで黒幕は安心だ」「口封じではないか」と疑う声が相次いでいる。ただし、口封じ説はネット上の憶測であり、裏付ける証拠は確認されていない。
文化財はどこへ消えたのか。誰が関与したのか。裁判の中身も明かされないまま、真相を知る人物が死亡。もし事件の背後にまだ明らかになっていない関係者がいるなら、これほど都合のよい展開はないだろう。
ネット上で「口封じではないか」と疑う声が上がるのも無理はない。果たして真相が明らかになる日は来るのだろうか。
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