中国 裁判記録も非公開 「口封じ」を疑う声

消えた文化財どこに? 収賄で有罪の元館長が獄中死=中国

2026/10/15 更新: 2026/10/15

中国の名門博物館に寄贈された貴重な美術品がオークションに出品されるなど、多数の文化財をめぐる流出疑惑が浮上した。元館長は有罪となったが、裁判の詳細はなぜか非公開。文化財の行方も事件の全容も分からない。

そんな中、事件の真相を知るはずの元館長が、獄中で死亡したと報じられた。 判決からわずか約1か月というタイミングに、中国のネット上では「口封じではないか」と疑う声が広がっている。

10月14日、南京博物院の元院長、徐湖平(じょ・こへい)氏(81)が獄中で死亡したと報じられた。香港誌「亜洲週刊」によると、徐氏は12日、南京市内の刑務所病院で死亡したという。末期の肺がんを患っていたとされる。ただし、中国当局からは死亡について正式な発表は出ていない。

事件の発端は2025年。南京博物院に寄贈された明代の名画『江南春』が、北京のオークションに出品されていたことが発覚した。評価額は8800万元(約20億)。寄贈者の娘が当局に通報し、競売は中止された

その後、博物館の元職員が徐氏による文化財の盗難や密売を実名で告発。徐氏は今年9月、収賄罪で懲役3年の判決を受けたと発表された。

しかし、どこの裁判所が、いつ裁いたのか。判決文すら公開されていない。 流出した文化財が回収されたのか、ほかに誰が関与したのかも明らかになっていない。

さらに、事件を追及していた香港誌「亜洲週刊」も、昨年12月に中国のSNSで発信を制限されたと報じられている。

そして判決の発表からわずか約1か月。事件の核心を知るはずの元館長が、獄中で死亡したと報じられた。

ネット上では「死者に口なし」「これで黒幕は安心だ」「口封じではないか」と疑う声が相次いでいる。ただし、口封じ説はネット上の憶測であり、裏付ける証拠は確認されていない。

文化財はどこへ消えたのか。誰が関与したのか。裁判の中身も明かされないまま、真相を知る人物が死亡。もし事件の背後にまだ明らかになっていない関係者がいるなら、これほど都合のよい展開はないだろう。

ネット上で「口封じではないか」と疑う声が上がるのも無理はない。果たして真相が明らかになる日は来るのだろうか。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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