アクセンチュア 中国事業の売却検討 AI時代へ成長分野に集中

2026/10/19 更新: 2026/10/19

アクセンチュア(Accenture)が中国事業の売却を検討している。世界最大級の上場コンサルティング会社である同社は、成長性の高い事業に経営資源を集中させるとともに、AIの普及による変化に対応できることを投資家に示したい考えだ。

フィナンシャル・タイムズによると、事情に詳しい関係者は、アクセンチュアが過去1年間に買収希望者から複数の打診を受けたことを受け、JPモルガンに中国事業の戦略的な選択肢の検討を依頼したと明らかにした。大中華圏事業全体の評価額は最大15億ドルに達する可能性があるという。

アクセンチュアはコメント要請に応じず、JPモルガンもコメントを控えた。

関係者によると、売却案にはプライベートエクイティ(PE)ファンドや一部の事業会社が関心を示す可能性がある。アクセンチュアが一定の少数持分を残し、顧客サービスの継続性を確保する案も検討される可能性がある。ただ、今回の戦略見直しが最終的に売却につながる保証はない。

アクセンチュアが中国事業の売却を検討するなか、同社の株価はここ数か月、大きく変動している。AIの普及が同社にとって追い風になるのか、逆風になるのかをめぐり、投資家の見方が分かれているためだ。

同社の先行きに慎重な投資家は、AIの活用が進めば、企業が外部のコンサルティング会社への依存を減らし、これまで外注していた業務をAIを使って自社で処理するようになる可能性があるとみている。

一方、アクセンチュアは、企業がAI技術を導入・展開する過程で、同社のコンサルティングや関連サービスへの需要がむしろ高まると見込んでいる。

アクセンチュアは10月14日に開いた「投資家・アナリストデー」で、今後2年間は売上高の緩やかな成長が続くとの見通しを示した。その後、新たなAIサービスへの需要が大幅に拡大することで、2020年代末にかけて成長が加速すると予想している。

同社はこの場で、複数年にわたる成長戦略も説明した。

ジュリー・スウィート最高経営責任者(CEO)は、AIが新たな需要を生み出すとの見方を示した。現在のAIをめぐる変革を、過去のオフショア・アウトソーシングやクラウドコンピューティング、デジタルサービスの普及になぞらえ、当時も新たなサービスや人材への投資を進め、市場シェアを拡大することで変化に対応してきたと説明した。

中国事業の売却資金は、こうした成長投資の原資になり得る。

アクセンチュアは、AIの活用によって削減した社内の運営コストの一部を事業に再投資する計画だ。顧客に請求する料金を抑えるために活用するほか、AI関連サービスを拡充するための買収にも充てる考えを示している。

同時に、債務を適正な水準に保ちながら、自社株買いや増配を通じて多額の資金を株主に還元する方針も掲げている。

アンジー・パーク最高財務責任者(CFO)は投資家向けイベントの終盤で短く発言し、一部事業の売却によって資金を確保する可能性を示唆した。

パーク氏は、アクセンチュアがこれまでも、戦略目標や収益性の基準に合わなくなった事業やサービス、国・地域、契約から撤退してきたと説明した。

張婷
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