最後の世代——日本伝統工芸の生死の問い【日本の中の「仁義礼智信」20】
1200年の歴史を誇る京都の「西陣織」をはじめ、存亡の危機に瀕する日本の伝統工芸の過酷な現実と課題を浮き彫りにした一編。市場原理と文化継承の葛藤を描きつつ、手仕事の価値を後世へ残すための責任と希望を問いかける
魂の継承――唐の時代から今日まで続く旅館【日本の中の「仁義礼智信」19】
西暦705年創業、世界最古の旅館・慶雲館。建物や時代が変わろうとも、変わらぬ「もてなしの心」を守り抜く姿から、日本の老舗企業が幾世代にもわたり受け継いできた事業承継の魂と「不易流行」の本質を紐解く
一期一会 そのお茶の中の永遠【日本の中の「仁義礼智信」18】
茶道に息づく「一期一会」の精神を、日常の何気ない所作や東洋思想の「仁」と結びつけて紐解くエッセイ。二度と戻らない「いま、目の前の瞬間」に全身全霊で向き合うことの尊さを静かに問いかけます
理解・傾聴 ——職場における最も困難なる修行【日本の中の「仁義礼智信」17】
先入観を捨て、上司の指示の本質を「素直」に受け止めることで圧倒的な成果を上げる女性同僚の姿を描く。真摯に仕事に向き合う姿勢と、雑念を払うことの重要性を説く心に響くビジネスエッセイ
「胃腸の声」を聴く生き方 押しつけず無理しない大人の食養生
「病は口より入る」という言葉から、食と身体の向き合い方、そして他者への敬意や生き方の知恵を紐解くエッセイ。脾胃(ひい)をいたわる食のあり方を通じて、欲望と節制のバランスや真の豊かさを見つめ直します
人に迷惑をかけないこと——失われつつある人生の智慧【日本の中の「仁義礼智信」16】
「人に迷惑をかけない」は、ただのマナーではありません。自分の欲望より先に他者を思う、日本に残る仁の智慧を見つめます。
壁の声を聴く手――AI時代の日本の根【日本の中の「仁義礼智信」15】
AIと効率化が進む現代、左官職人は自らの手のひらで壁と対話し、素材の息遣いを感じ取る。機械では決して再現できない「職人魂」と手仕事の記憶。失われゆく伝統の根と、現場に希望を見出す若者の姿を描く
祖先が帰る道――日本のお盆に息づく「仁」【日本の中の「仁義礼智信」14】
毎年8月に日本中を覆う大渋滞。人々が目指すのは観光地ではなく故郷の仏壇です。混雑を越えて先祖に会いに行く「お盆」の帰省を通して、日本人の誠実さや静かな秩序の根底にある「孝」と命のつながりを紐解きます
争わないこと、それがいちばん美しい咲き方【日本の中の「仁義礼智信」13】
小さなランタナは、互いに争わず、それぞれの時に咲く。人と比べず、自分の色と出番を信じて生きることの美しさを見つめます
豆腐は語る 京都の職人に息づく「信」と「智」【日本の中の「仁義礼智信」12】
二百年同じ井戸水で豆腐を作る京都の職人や、一生ものの伝統工芸品。効率よりも誠実さを選び、自らの心を映す「ものづくり」の姿勢から、世界中を惹きつけ信頼される日本固有の「信」の精神を紐解きます
日本代表とサポーターが貫く「礼」の精神【日本の中の「仁義礼智信」11】
激闘の直後も更衣室を清掃する日本代表と、スタンドのごみを拾うサポーター。勝敗を超え、静かに受け継がれる「礼」と他者への敬意の美徳が、一枚の畳まれたタオルを通じて世界中の人々に深い感銘を与えている
あの夜の成田空港で伝染した秩序 世界が学んだ「並ぶ」こと【日本の中の「仁義礼智信」10】
記録的大雨で成田空港に約7千人が足止めされた夜。混乱の中で国籍を超えて広がったのは、静かに順番を待つ「秩序の連鎖」だった。孔子の「克己復礼」の精神を通じ、人々を自然と動かす「礼」の力を読み解く
廃墟の中にあった良心 2011年に日本が世界に示した答え【日本の中の「仁義礼智信」9】
東日本大震災の極限状態の中、略奪ではなく秩序と思いやりを示し、拾った金庫を警察へ届けた被災者たち。世界を驚かせたその行動の根底にある「義」の精神と、人間としてなすべき姿を問いかける
落とし物は必ず持ち主のもとへ 日本人の「信」【日本の中の「仁義礼智信」8】
落とした財布がそのまま戻る日本の日常。世界を驚かせる高い返還率の背景には、「お天道様が見ている」という言葉に象徴される、見返りを求めず良心に従う日本人の誠実さと「当たり前」の精神が息づいています
世界一の長寿企業国・日本 その秘密は「家訓」に【日本の中の「仁義礼智信」7】
世界一の長寿企業国・日本。創業1400年の金剛組や500年のとらやなど、300年を超える老舗には利益よりも大切な「家訓」があった。時代が変わっても揺らぐことのない東洋の道徳観「義」の精神と経営の真髄に迫る
水道哲学 松下幸之助の「仁」 【日本の中の「仁義礼智信」6】
パナソニック創業者・松下幸之助が掲げた「水道哲学」と儒教の「仁」の思想の響き合いを描いた一文。モノづくりを通じて人々の生活を支え、社員の人格を育んだ希代の経営者の哲学と、その真意に迫る
敬天愛人 稲盛和夫が一生をかけて導き出した答え 【日本の中の「仁義礼智信」5】
倒産寸前のセラミックス工場から2つの世界的大企業を創り上げ、78歳で日航(JAL)再建を果たした稲盛和夫。「人間として何が正しいか」を問い続け、生涯をかけて体現した「敬天愛人」の真諦に迫る
一杯のラーメンに込めた一生【日本の中の「仁義礼智信」4】
東京の片隅にある8席のラーメン店。効率や規模拡大を追う現代で、「この一杯しか作れない」と職人が一生をかけて紡ぐ静かな境地とは。稲盛和夫の「敬天愛人」や儒教の「智」を通じ、真の豊かさを問う
お辞儀の重み「誰も見ていないときの自分」【日本の中の「仁義礼智信」3】
誰も見ていない空っぽのホームで、去りゆく列車に深く頭を下げる一人の駅員。その一礼から、中国の古典が教える「慎独」の精神を紐解く。見返りを求めない純粋な誠実さと、現代人が忘れてはならない「礼」の真価
錆びた鉄の箱が語る「信」【日本の中の「仁義礼智信」2】
京都の小道に佇む、錆びた鉄の箱と無人販売所。それは単なる集金箱ではなく、人の善意を信じる「仮定」そのもの。孔子の教えを引き合いに、当たり前すぎて気づかない日本の「信」の文化を鮮烈に描くエッセイ
食卓の一秒に生きる「仁」 「いただきます」という最も深い礼 【日本の中の「仁義礼智信」1】
日本の定食屋で見かける食前の「いただきます」と食後の「ごちそうさまでした」。両手を合わせる何気ない一秒の静寂に宿る感謝の心と、古代中国の精神「仁」の深いつながりを静かに見つめ直す、心温まるコラム
見覚えのある涙 【日本の中の「仁義礼智信」序】
初めて日本を訪れ、京都・清水寺の回廊に立った著者が流した「理由なき涙」。それは失われた中国隋唐の息吹が、日本の日常に「仁義礼智信」として今も息づくことへの郷愁だった