糖尿病と鍼灸療法
最近、膝関節症の治療で鍼灸院に通っている60代の女性患者さんから、HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)の数値が7.5から6.7に下がったという報告を受けました。予想もしていなかった効果に、患者さんは大変喜んでおられました。
月経痛の鍼灸治療
漢方医学では月経痛の原因は気滞、血瘀、寒邪、湿熱、気血不足、肝腎虚弱など、患者さんの体質によって分類されます。
低体温と脾腎陽虚
最近、低体温の人が年齢を問わず増えています。通常の適正体温は36.5度くらいで、平熱が36度以下になると体内の酵素の働きが低下し、新陳代謝が悪くなり、免疫力も低下します。低体温になると病気に罹りやすくなり、さまざまな辛い症状を招いてしまうことが予測できるのです。
股関節痛の鍼灸治療
女性の患者さん(80代)は、長年右股関節から右下肢にかけての痛みが続いていました。整形外科の検査では股関節の異常が見られず、下肢神経痛として投薬され、治療を受けていました。しかし、なかなか効果が得られず、漢方治療を受けても、やはりあまり効果が得られませんでした。そこで鍼灸治療を試すことにしました。
慢性中耳炎の鍼灸治療
慢性中耳炎で鍼灸治療に来られる方は、さほど多くはありません。鍼灸で中耳炎の治療ができることを知らず、鍼灸治療を受けることを思い付かないためです。しかし実際は、中耳炎も鍼灸治療の適応症の一つです。最近このような患者さんを治療して、良い効果が得られました。
体質改善を目指す鍼灸治療
急性疾患も慢性疾患も、その原因として体質が絡んでいるケースが多々あります。例えば、花粉症の直接の原因は花粉ですが、花粉が飛散しているからといって必ずしも発症するわけではありません。
肘関節痛の鍼灸治療
損傷性、変形性、炎症性など、急性、慢性の関節痛は、いずれも鍼灸治療で改善効果が得られます。時に、驚くほど早く効果が得られる場合もあります。
夢と臓腑の虚実
一般的に夢は精神的、心理的な要素と深く関係していると言われています。一方、漢方医学では、臓腑の虚実、邪気の盛衰、陰陽の強弱が影響していると認識されています。
漢方医学の脈診法
診察器具の進歩とともに、現代の医者が患者の脈を取ることは少なくなりました。脈を取ることがあっても片手の脈を取れば十分であるとして、よほどの事がない限り、両手の脈を取ることはありません。
蜂蜜で便秘を治療
便秘には気滞、血虚、実熱、食滞、陽虚、気虚などさまざまな種類があります。簡単に言えば、便が硬くて出にくいパターンと便が硬くなくても出にくいパターンの二種類です。
病気治療と洗濯
病気治療を、洗濯に例える考え方があります。漢方医学の古典『黄帝内経・霊枢』の中には、「五臓に病気があるのは、衣服に汚れがあるのと同じで、いかに古い汚れであっても、きっとそれを洗い落す方法がある」と書かれています。
顔面神経麻痺の鍼灸治療
最近、顔面神経麻痺の患者を治療し、割合良い効果がよかったので、簡単にご紹介します。
冬病夏治
個人の体質状況によって特定の季節に繰り返し発症する病気があります。例えば、冬になると、喘息や咳、鼻炎、かぜ、胸痛、皮膚の発疹、腹痛、下痢、関節や筋肉の痛み、頭痛、霜焼け、冷え症などを毎年発症する人がいます。このような場合、冬を待たず、夏の間にその体質を改善し、冬になっても発症しないように治療することを「冬病夏治」(とうびょうかち)と言います。
口中の味から体質判断
現代医学では検査の数値や画像が重視され、患者さんが訴える症状が軽視される場合が少なくありません。一方、漢方医学の診断においては、患者さんが訴えた症状をすべて情報として取りいれ、病因の分析を行っています。
右殿部痛の鍼灸治療
ある患者(70代男性)さんが、右殿部の痛みで鍼灸院を訪れました。彼は3カ月前から痛みが出始め、立っている時と歩く時に痛みを感じていましたが、最近、痛みが強くなり、横になっても寝返りの時にも痛みを感じるようになりました。
歯痛の部位とツボの選択
歯痛は鍼灸で治療すれば、かなり良い効果が得られます。効果の現れも非常に早く、治療し始めてから数分以内にほとんどの痛みが緩和されたり、消えたりします。しかし、良い効果を得るためには、いくつかの条件が必要です。その中で正しい病状認識、病状に合わせたツボの選択、適切な施術方法が治療効果に影響します。
生薬の修治と人間の良心
自然の植物はそのまま乾燥して生薬として使ったり、手を加えて加工してから使う場合があります。この加工の過程は修治(しゅうじ)あるいは炮製(ほうせい)と言います。
【医学古今】 関元穴に灸療の効果
関元穴(かんげんけつ)は腹部の中心線上、へそから恥骨までの連線を5等分にして、恥骨から5分の2のところにあります。
脳梗塞後の痺れに鍼治療
ある患者(60代男性)さんは、6年前、脳出血後に左半身の麻痺がありましたが、間もなく症状は消えました。その後、脳梗塞を発症して左半身の麻痺と左側の唇や頬部に電気が走るようにビリビリする痺れ感、左目下方の顔面部に痛みなどが残りました。
耳のあん摩 健康促進
漢方医学の理論では、耳は腎に関連しています。耳が分厚くて丈夫であれば腎も丈夫であり、耳が薄くて弱ければ腎も弱いのです。更に、耳には五臓六腑や各器官の代表点が分布しており、これらが「耳ツボ」と称されています。
現代人に嫌われる打膿灸
打膿灸(だのうきゅう)は中国で化膿灸(かのうきゅう)、或いは瘢痕灸(はんこうきゅう)と呼ばれ、古代によく使われた灸療方法の一つです。この治療効果は非常に高いのですが、現代人にはあまり人気がないようです。
目の奥の痛みに鍼灸治療
眼の奥の痛みには頭痛もしばしば見られます。症状が両目に現れる場合もあれば、片目だけの場合もあります。肩こりを伴う場合も少なくありません。
月の満ち欠けと鍼灸の補瀉
月の満ち欠けは潮位に影響しているので、海の仕事に携わっている人たちは常に注意しなければなりません。一方、月に満ち欠けは、鍼灸治療とも強く関係しています。実のところ、それは鍼灸治療だけでなく、さまざまな生命現象にも影響を与えているのです。
慢性蕁麻疹(じんましん)の鍼灸治療
長年、蕁麻疹に悩まれている患者さんがいます。抗アレルギー剤で一時的に改善しますが、薬を飲まなければ再発します。このような患者さんは漢方か鍼灸の治療を試すようお勧めします。
虫刺されに鍼灸の効果
先日、肩こりと腰痛を訴えて当鍼灸治療院に通っていた患者さん(70代男性)の両下腿に、直径10センチほどの赤い腫れがみられました。数日前に虫に刺されたようで、なかなか腫れと痒みが引かないと言うことでした。
秋の風邪に漢方医学
風邪なら葛根湯と思っている方は多いと思います。しかし、これは漢方医学の考え方ではありません。漢方医学で風邪を治療する場合、少なくとも季節の要素、体質の要素及び邪気の性質を合わせて考えなければなりません。
リウマチと湿邪
現代医学では、リウマチは自己免疫性疾患の一つで、今でも原因が分かっていません。自分の体を守るはずの抗体がなぜ自分の細胞を攻撃するのでしょうか。
ヘルペスにお灸
単純性ヘルペス、俗に言う「熱のはな」はウイルス感染症ですから、抗生物質を使って治療します。しかし、お灸治療でも非常に早く効果を得られます。
火鍼治療法
漢方医学には「寒則熱之」という治療原則があります。つまり寒冷の病症に温熱の療法を施すという意味で、寒邪によって起こした疼痛性症状に火鍼で治療する方法です。火鍼療法は使う基材によってさらに「木火鍼法」、「艾火鍼法」、「金火鍼法」などに分けられます。
頻尿の鍼灸治療
頻尿は高齢者によく見られる臨床症状の一つです。現代医学では、この症状を主に膀胱の機能状況を考えて治療しますが、漢方医学では、主に腎の機能状況を考えて治療します。