ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(10-5)
【大紀元日本10月25日】私は翌朝、金遁雲号を蒼龍に変身させると、これの頭に飛び乗り、上空から劉のクルーザを追跡することにした。劉は、マラッカ海峡の海賊たちと何やら相談をすると、そのまま何気なくマニ
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(10-4)
【大紀元日本10月19日】神亀に導かれて歩いているうち、海岸端の竹芝ふ頭までやって来た。照明の少ない、薄暗い中で、中秋の月光に照らされて、何やら人影が見える。遠目でも、白い三角巾が目立つ輩だ。「・・
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(10-3)
【大紀元日本10月10日】私は、ポリの簡易容器に盛られた酸辣湯を薦めらて、それを啜りながら「・・では、劉神父は、台湾国籍だということですか・・」と水を向けてみた。劉はそれには答えず「・・私の祖祖父は
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(10-2)
【大紀元日本10月7日】劉は、讃美歌を信者と歌い終えると、少し神経質そうにツカツカとピアノを伴奏している女性信者のところに歩み寄り何やら煩そうな指示を出している。 劉は私のところに戻って来るなり、「
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(10-1)
【大紀元日本9月20日】東京新宿の四谷は不思議な街だ。JR四ッ谷駅前の目抜き通りである新宿通り界隈には、上智大学を始め、学習院の初等科、双葉学園(高・中・小)などもあり、ハイセンスな町並みという印象
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(番外編3-5)
【大紀元日本9月4日】となりの水着姿の美女は、ちょこんと和尚の膝に乗るなり、「はい!極楽ちゃ~ん♪あ~んして♪」などと言いながら、牛肉を切り分けて和尚の口に運んで媚態を作っている。私が呆れて「和尚さ
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(番外編3-4)
【大紀元日本9月2日】何か和尚に面会する口実が必要なので、小僧を捉まえて「あの~私は中国からの帰国者で張という者ですが・・東北地方に残してきた先祖の霊を供養したくてやってまいりました・・どうしたら良
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(番外編3-3)
【大紀元日本8月31日】老人は、鼻血をタラタラと流しながら、気丈にも「おまえたち居仲組の魂胆は分かっている!」と叫ぶと、若いやくざ者は「けっ!」とばかりに鼻白み、手下に合図を送ると一斉に送り馬を10
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(番外編3-2)
【大紀元日本8月29日】草木も眠る「丑三つ時」・・旅館の部屋で気持ちよく寝ていると、こちらの足を擦ったり引っ張ったりするものがいる。暗闇の中でふと見ると、小さな児童のような・・日本の妖怪「座敷ワラシ
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(番外編3-1)
【大紀元日本8月27日】「温泉に行きたいにゃ~」という猫の目女のボヤキを聞きながら、なんでこの猛暑にと思ったが、しかし温泉は山の中の高所にあることだし、命を救ってもらった御礼にと、猫の目女を助手席に
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(9-3)
【大紀元日本8月25日】「おまえごときには、そう易々とやられないぞ!!」と手元を見たが、肝心の如意棒がない。「おまえの探しているのは、これですか!?」 なんと桃仙女がそれを手にして仁王立ちしている。
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(9-2)
【大紀元日本8月19日】ほどなくして信濃町のKO病院前についた。若い女の方が「メーターが元なので分からないのですが・・・おいくらでしょうか?」と聞くので、「・・受け取れません!!」と応えると、女は「
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(9-1)
【大紀元日本8月13日】その日、私は猫の目女を助手席に乗せて、千駄ヶ谷方面を疾走していた。ふと見ると、何やら携帯のようなものを持って興じている。「へぇ~、君のような妖怪でも携帯を持っているんだ~」。
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(番外編-2)
【大紀元日本8月9日】東京の新橋は、所謂日本の中堅サラリーマンが集まっている「お父さん」たちの街だ。JR新橋駅前のSL広場を中心に、大小さまざまなオフィス・ビルが立ち並び、またこれらサラリーマンを顧
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(8-3)
【大紀元日本8月6日】その時、屋敷内で数匹の猫の鳴き声が響き渡った。痘痕面の薮本は「む、む、おかしいな・・この屋敷にはドーベルマンを三頭も飼っているのに・・その殺気だけで猫など屋敷内には入れないはず
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(8-2)
【大紀元日本8月3日】店内は静まりかえり、扇風機のパタパタという音しか聞こえない。私は、店内の時間を凝縮すると、如意棒を一瞬だけ物質化し、無頼漢の腰の辺りをサッと払った。すると、無頼漢は、カウンター
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(8-1)
【大紀元日本7月30日】私はその日、外苑前のくだんの行きつけの柳麺屋「珍来軒」で、昼食を摂っていた。ここ珍来軒は、店内は小汚いが味がいいので、同業者には人気がある。日本で人気があるのは、「冷やし柳麺
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(番外編-1)
【大紀元日本7月24日】東京という街は非常に不思議なところがある。江戸城を挟んで西と東とでは、土地の気が全く違うのだ。西は、麻布、代官山といったハイセンスな町に代表されるが、東の上野などはアメ横など
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(7-3)
【大紀元日本7月20日】私が、金遁雲の中で呼吸困難に喘いでいるとき、車窓からヌゥと巨大な猫のような手が入って来て、その爪が左胸に突き刺さった。「くそ・・・・玉帝・・もう終わりなのか!?・・」すると、
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(7-2)
【大紀元日本7月14日】私はその日の夜、新宿三丁目辺りの所謂「歌舞伎町界隈」を流していた。この辺りは、地元の日本は勿論、中国、韓国、ロシアなどの黒社会が暗躍する、国内でももっとも危険度の高い地区だ。
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(7-1)
【大紀元日本7月9日】私は、時々仕事に疲れると、新宿御苑や明治神宮といった大きな公園に行くことにしている。東京のような都会で運転を続けていると、精と根が擦り切れてくるからだ。樹木が鬱蒼と茂る御苑の中
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(6-2)
【大紀元日本7月7日】乾先生との対面後、私が青山墓地近くの柳麺屋で昼食を摂っていると、乾先生の書生「小森君」が顔面をパンダのようにしながら、店に駆け込んできた。聞くと、先生が「悶々会」に拉致されたと
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(6-1)
【大紀元日本7月5日】吾味博士との一件が解決した後も、これが縁で、ふと故郷の中国が恋しくなった時に、田園調布の「瀟洒な日本邸宅」にある博士宅を訪れ、話し相手になってもらえるようになった。「七夕」の夕
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(その5)
【大紀元日本7月2日】外苑を少し離れ、赤坂見附界隈の外堀通り「日枝神社」の近辺を流していると、昼ともなれば、タイトなビジネス・スーツに身を固めて颯爽と闊歩する日本のビジネスウーマンの姿が目立つ。ここ
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(その4後編)
【大紀元日本6月29日】先生宅の茶の間で引き続き、TVを見ながら談笑していると、ブラウン管に社会保険庁の政府広告が流れた。「・・・国民皆が健康に!・・・緑の楽園計画!・・・」続いて、社会保険庁の長官
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(その4中編)
【大紀元日本6月27日】博士の自宅は、日本の高級住宅街である田園調布の一角、宝来公園の近辺にある路地裏にあった。あたりの西洋風の豪邸とは裏腹に、それは瀟洒な日本式の家屋、もっとはっきり言えば「つぶれ
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(その4前編)
【大紀元日本6月23日】その日は朝から何やら胸騒ぎがして、夏場の早朝、午前五時頃に雲間から降りて来て、外苑の秩父宮体育館近辺で金遁雲号を停めていた。辺りはまだ人影がまばらで、もとより同業者たちの姿は
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(3)
私は同業者の間でも、風体が少し変わっているので有名だ。まず、中国の山中洞穴で座り込んだので、精気が凝り、全身が濃いウブ毛で覆われているし、骨相も変化して眉間の間の部分が隆起して猿居士のような変わった人相であるばかりか、玉帝がはめ込んだ金の輪が頭にはめられているので、車をよく停める外苑で、年配の同業者によくこういってひやかされる。
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(2)
私がここ東京で個人タクシーなる人間稼業をするようになり、早数日が過ぎた。季節は蒸し暑い夏を迎えようとしている。午前中の陽気が満ち溢れ、油蝉がジィージィーと泣き始める頃、私はいつものように天空の雲の裂け目から金遁雲号に乗って降りてきて、明治神宮外苑のあたりでこれを物質化した。すると、表の大通りからいい白湯の匂いがしてきた。ふと日本人たちが好む柳麺などを食してみたくなった。
ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(1)
私の名は張帰山、出身は中国の四川省だ。生まれは唐代なので1200歳位か・・・